掲載日:令和5年4月12日更新
農業振興地域制度の概要
優良農地の確保のため、「農地法」による農地転用許可制度とあわせ、「農業振興地域の整備に関する法律」に基づく農業振興地域制度が設けられています。本制度で、農林水産大臣は確保すべき農用地などの面積目標などについて「農用地等の確保等に関する基本指針」を定め、これに基づき都道府県知事は「農業振興地域整備基本方針」の策定と「農業振興地域」の指定を行い、市町村は「農業振興地域整備計画」の策定を行うこととしています。
農業振興地域整備計画とは
農業振興の基盤となる優良な農用地などの確保を図り、総合的な農業の振興を図るための施策を計画的に推進する基本計画です。農業振興地域内には、優良農地である農用地区域内農地(農振農用地)とその他の農用地があり、農振農用地については『原則として農地転用ができない区域』です。
農業振興地域整備計画の変更(農振除外)とは
農振農用地区域内でやむを得ない理由により農地転用が必要となった場合には、農業振興地域整備計画を変更するための『変更申出書』を提出し、農振農用地から除外する必要があります。
その際には、除外したい土地の大字名・地番を農林課農業振興係に連絡し、農振除外が可能な土地かどうかを確認してください。
農振農用地であった場合、農振農用地区域から除外するには、下記の『農振除外要件』を満たしていなければいけません。
したがって、申請すれば変更が認められるというわけではありません。協議の過程で除外不適当とされる案件が多数ありますので、事前に申請地を農林課農業振興係と協議してください。
農振除外要件
- 農振農用地区域以外の土地を開発することが困難であると認められること
(当該農用地以外の開発が困難である具体的な理由が必要です) - 地域計画の達成に支障を及ぼすおそれがないこと
(めざすべき将来の農地利用の姿を明確化した計画の達成に支障がないと考えられること) - 農用地の集団化、農作業の効率化、その他の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障がないこと
(基本的に集落の宅地に接していない場合は支障があると考えられます) - 認定農業者・大規模農家・農事組合法人等の農用地の集積に支障がないこと
- 土地改良施設の有する機能に支障がないこと
(開発に伴う日照、雨水、汚水処理などの問題がないこと) - 土地改良事業等実施後8年以上経過していない区域は原則除外できません
- 農振農用地からの除外面積について
・除外面積は、その目的実現のため必要最小限であること
・個人用住宅を目的とする除外については、一般個人住宅500平方メートル、農家住宅1,000平方メートル以内
なお、拡張については既存敷地を含めて上記が限度です。
農業振興地域整備計画の変更(農振除外)手続き
農用地利用計画の変更にあたっては
- 農用地区域内の土地は開発行為の制限などを伴うこと
- 計画の変更は周辺の営農環境や農業振興施策の推進などへの支障がないよう判断される必要があることから、関係権利者への周知や意見を聞く機会を付与するとともに、計画策定・変更の公正性・透明性の確保の観点から以下のような手続きが必要です。
なお、申し出の締切日は特にありませんが、市が計画変更(除外)手続き中は、新たな変更(除外)協議ができないため、申し出から除外まで6カ月程度かかります。注意ください。
農振除外の流れ
除外申出・農業委員会等意見聴取
- 30日間
農業委員会等回答・県事前相談
- 30日~90日間
県事前相談回答・11条公告(縦覧・異議申出)
- 45日間
11条公告完了・県法定協議
- 10日~60日間
県同意・12条公告(農振除外完了)
12条公告が完了するまでは、次の除外手続きはできません。
農地転用等の手続きが必要です
除外後、農業委員会で農地転用等の手続きが必要です。農地転用の許可を得る前に、開発に着手することはできません。