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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和4年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和4年7月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和4年7月1日

掲載日:令和4年7月1日更新

一丁目一番地(後編)

市民病院群は、常勤医師の昼夜を分かたぬ献身的な仕事ぶりでかろうじて持ちこたえていますが、先生方の疲弊感、加えて高齢化が危ぶまれています。
焦燥感に追われるように、素人の私も医師探しに奔走しましたが、まさに取り付く島もない状態。途方に暮れつつ歩いている中で出会えたのが外山千也氏(現南魚沼市病院事業管理者、前副市長)でした。

全国のへき地医療を支える大組織である公益社団法人 地域医療振興協会。(自治医科大学出身の医師が中心となって設立)すがる思いで医師派遣の懇願に訪れた私を、吉新理事長と共に対応されたのが当時常務理事の外山氏だったのです。

氏は過去に市民病院の経営相談をされていたこともあり、当地の事情に詳しく、何よりも医療困難地に対する熱意が伝わってきました。
私からお願いして市長付きのアドバイザーに。その後、驚くことに氏は協会の常務理事の要職を辞され、「一医師として素志である地域医療に貢献する」と南魚沼へ移住までされた。
そして、私は市長2期目のスタートと時を同じくして、氏を特命副市長に選任したのです。
直後から始まった大混乱のコロナ対応では、最たるワクチン接種事業に、正に陣頭指揮に立っていただくことにもなりました。

市報6月1日号の(前編)で書いた入院病棟の一部閉鎖もありえた事態を回避できたのは、自治医科大学との「寄付講座」開設(本学所在の栃木県以外では全国初の例)による医師の着任によりますが、それも外山氏の獅子奮迅の活躍がなければ到底成せるものではなかったのです。

市は「骨太の方針」を定め、進むべきロードマップを示しました。寄付講座はその後、医師が増員され、念願だった心臓カテーテル診療もできるよう循環器内科を充実。
基幹病院との役割分担をもとに地域包括ケア病棟を新設した今春から、病床稼働率は過去にない高さに。

道半ばの魚沼の医療体制はやがて理想の姿になっていく。
その道をようやく歩き出せた、そう信じています。

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