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市長施政方針 令和3年9月

掲載日:令和3年8月30日更新

令和3年9月南魚沼市議会定例会施政方針(南魚沼市長 林茂男)

令和3年9月施政方針_総論 (PDF 460KB)

総論

令和3年9月議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申し上げます。また、日頃市政にご尽力いただいていることに対し、深甚なる敬意を表しますとともに感謝申し上げます。

新型コロナウイルス対策

まず、新型コロナウイルス感染症対策等についてであります。

南魚沼市の5月中の感染者数は54人を数え、1か月の感染者数としてはこれまでの最大となりました。新潟県内をはじめ、全国的にも深刻な感染拡大がみられ、7都府県に出されていた緊急事態宣言は6月20日まで延長されることとなりました。市内の感染者数を抑えるため、家庭内感染の防止を主眼とし、ワクチン接種会場などでチラシを配布し、ウェブサイト等でも広報してきたところです。

6月に入ると、市内の感染拡大は沈静化し、上旬に3人確認されたほか、中旬以降は感染者がありませんでした。全国的にも沈静化したことから、国は6月20日に緊急事態宣言を解除し、東京など7都府県にまん延防止等重点措置を適用しました。

しかし、宣言解除直後から感染者数は拡大を続け、東京オリンピックの開幕を控えた7月11日、東京都に対し4回目となる緊急事態宣言を発し、8月2日には神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県にも緊急事態宣言が発せられました。

市内においても7月18日以降、急激な感染拡大がみられ、7月末までに45人の陽性者が新たに確認されました。特に小中学生を中心にクラスター的な状況が発生しましたが、迅速な休校措置をとるなど、拡大防止に最大限注力した結果、1週間程度で沈静化をみています。変異株と思われますが、これまでとは感染力が格段に強まっていることが感じられました。8月に入ってからは新潟県内の感染者が急増し、各地でクラスターが発生しましたが、当市内においては、新規感染者の発生はあるものの、急激な感染拡大には至っておりません。引き続き職場や家庭内で感染防止を図っていく必要があります。

4月25日から開始した65歳以上の高齢者に対するワクチンの集団接種は、7月4日で市内12会場における接種を終え、7月5日以降は、五日町雪国スポーツ館(第1接種センター)、および旧第二上田小学校(第2接種センター)の市内2か所の常設接種センターで、日曜日から金曜日までの週6日間実施しております。接種状況につきましてはウェブサイトで逐次報告しておりますが、8月15日現在、2回接種済み者は全市民の43.48パーセントとなっております。

まずは、市民生活を維持するために必要な業務を行うエッセンシャルワーカーの方々への接種を優先し、一般の方々については、予約が一時期に集中しないよう、対象年齢を段階的に引き下げながら、順次予約を受け付けております。

なお、五日町雪国スポーツ館におきましては、連日の猛暑で室温が30度を超える状況が生じ、接種のために来場した市民や従事者の熱中症リスクの増加と、ワクチンの品質低下という2つの課題が生じたことから、7月21日に雪のクーラーを設置いたしました。結果として、室温は28度以下を保っており、良好な接種会場の運営ができるようになりました。

ワクチン接種の進展とともに、市民の活動範囲も徐々に広がることが期待されます。残念ながらワクチンの供給量が制限されているため、当初の見込みより時間がかかるかもしれませんが、この未曽有の事態に終止符を打つことができるのは、ワクチン接種による集団免疫の獲得以外にありません。市内外の医療機関の方々からのご支援をはじめ、多くの方々のご協力と、何よりも市民各位のご理解をいただきながら、鋭意、推進してまいります。

保健・医療・福祉

第1に、保健・医療・福祉についてであります。

健康づくり関係では、今年度委嘱した第8期の健康推進員の研修会を開催し、ご自身や地域の健康づくりについて理解を深めていただき、新型コロナ対策を行いながら、地区活動に取り組んでいただいております。

城内診療所につきましては、昨年来の新型コロナウイルス感染症に起因する受診控えや、受診間隔が長期化する傾向があり、受診者数の低下が続いております。新型コロナワクチンの個別接種を8月末までに約1,300件実施するとともに、集団接種に医師や看護師を派遣しております。

医療関係につきましては、総務省事業である「公立病院医療提供体制確保支援事業」の基礎的支援が採択になり、アドバイザーによる市民病院の経営改善への支援が始まりました。第1回会議が6月4日に、第2回会議が7月20日に行われ、アドバイザーからの専門的な分析を踏まえて、経営形態の見直し、経費削減等の病院経営の効率化、および病床機能転換などについて検討をしてまいります。次回の開催は9月下旬を予定しており、それまでに各種データの分析を進めていただいております。

寄附講座の拡充につきましては、自治医科大学長に南魚沼地域医療学講座の教員増員の要望を行っております。大学からも、自校のホームページはもとより、科学技術振興機構や大学病院医療情報ネットワークを通じて募集を行っていただいているところであり、この取組の状況を見守りたいと考えております。

6月定例会で補正予算を議決いただきました、ゆきぐに大和病院および健診施設に係る調査委託事業は、6月末に契約を行いました。再び緊急事態宣言が発出されたことで、7月末の段階で現地調査ができない状況でありますが、受託業者に対し、必要な資料を提供するなど、宣言解除後、速やかに業務を進められるよう準備を行っております。

子育て支援関係につきましては、閉園となりました上長崎保育園の解体が終わり、整地を行っております。8月26日に跡地の舗装工事を発注しており、降雪時期までに完了するよう進めてまいります。

今年度の新型コロナ対策として国が実施する「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)」(児童1人当たり5万円)の給付につきましては、申請が不要な対象者388人に対しての振込みを完了しております。新型コロナウイルス感染症の影響で家計が急変した世帯など、申請が必要な対象者や、新たに児童扶養手当の受給者となった方へは、給付が受けられるよう8月の児童扶養手当現況届の提出時にも案内をしております。この給付金の「ひとり親世帯以外分」につきましても、申請が不要な対象者173人に対しては振込みを完了しており、申請が必要な対象者には、8月30日に案内文書を送付したところであります。

学童保育につきましては、石打小学校と上関小学校の統合に伴い、各校の児童を対象とした2つの学童クラブの統合を進めております。それぞれのクラブの保護者会において、統合に向けた説明を行い、名称を「石打クラブ」として、新たに上関小学校内に設置することについて、保護者の皆さまからご理解をいただきました。これにより、今定例会に関連する条例の一部改正について提案しております。今後、学校を含め関係者と工事日程を協議しながら、年内の完成を目指し施設整備を進めてまいります。

福祉関係につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、4月から7月末までの生活保護申請件数は、前年比で約1.3倍、生活困窮相談件数は、前年比では約3割減少しましたが、コロナ禍以前の令和元年度と比較すると、約1.6倍となっております。新型コロナウイルス感染症による経済的な影響が深刻化する中で、引き続き、南魚沼市社会福祉協議会と連携を図りながら、生活に困った方々が安心して相談できる、相談・支援体制の強化に努めてまいります。

公営住宅につきましては、7月16日に1回目の住宅委員会を開催いたしました。公募戸数32戸に対して15件の申込みがあり、最終的に10戸の入居を決定いたしました。

介護保険関係につきましては、第8期計画で整備することとしておりました、認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)の実施事業者を、地域密着型サービス運営委員会において選考し、決定いたしました。また、この施設整備のための補助金について、補正予算に計上いたしました。

塩沢の上田地区におきまして、6月から、介護予防教室「まめでいきいき倶楽部」参加者のうち、希望者に対する送迎の支援を始めました。移動手段のない方々への支援については、「医療のまちづくり」の中の「まちづくり推進タスクフォース」において提言されていた事項であり、この度、上田ふるさと協議会を中心に、関係機関・ボランティアの方々などの協力を得て、実現したものであります。

病院事業につきましては、現下の最重要課題である、新型コロナワクチンの施設接種を含む個別接種を鋭意実施しております。ゆきぐに大和病院は6月10日から、市民病院は6月1日から、それぞれ開始し、7月末現在で、両病院合わせて3,544回の接種を行いました。また、ゆきぐに大和病院では、高齢者施設入居者、訪問診療を受けている患者、山間地の高齢者など、通院困難な患者について、医師や看護師などの職員が現地に出向いて接種を行いました。両病院ともに、7月末までに65歳以上の高齢者については、ほぼ接種を完了しており、段階的に対象年齢を引き下げながら、現在では接種対象を40歳以上に接種を拡大しております。しかしながら、国からのワクチン供給量に制限があることから、接種日と人数の調整を行いながら進めてまいります。

患者数につきましては、ゆきぐに大和病院では、昨年度、外来では受診控えがあったものの、今年度は回復傾向となっております。入院は、回復期の医療需要が増えていることから、昨年度に引き続き増加傾向となっております。

市民病院では、外来は5月から、入院は6月から回復傾向にあります。今後も患者の医療ニーズに応えサービスの向上に努めながら経営改善に努めてまいります。

今年の1月に傾斜した市民病院玄関の庇(ひさし)につきましては、調査業務委託先である、株式会社 建構造研究所(けんこうぞうけんきゅうしょ)から、8月20日に調査結果の提出がありました。結果としては、設計条件、許容荷重、応力計算等は適切に計算され、工事監理についても適切に行われているため、今まで経験したことのない降雪状況により融雪設備が大幅に機能低下したことから、設計積雪量を超過したことによるわずかな重量差によってバランスが崩れたことが原因であるとされました。設計積雪量を超えないよう融雪設備や積雪深を注意深く管理する配慮に欠けていたことにより、皆さまにご迷惑をお掛けしましたことについてお詫びいたします。調査業務と並行して、再建するための設計業務委託を7月下旬に発注いたしました。また、再建に係る補正予算について、今定例会に提案しておりますのでよろしくお願いいたします。破損した玄関の雁木部分につきましても、6月下旬に修繕工事を発注いたしました。

教育・文化

次に、教育・文化についてであります。

石打地区の統合協議につきましては、各部会における検討が順調に進んでおり、新たな校歌および校章、校旗の案がそれぞれの専門部会でまとまったことから、8月24日に統合協議会を開催し、それらの内容を報告いたしました。今後も地域の方々からのご意見をいただきながら、統合小学校の円滑な開校に向けて取り組んでまいります。

統合後の校舎となる上関小学校の大規模改修につきましては、夏季休業期間を利用して、体育館などの改修工事を実施するなど、計画的に事業を進めております。年内に改修工事を完了し、令和4年度の開校に向けた準備を整えることとしております。

また、石打小学校および上関小学校では、規模を縮小するなど、感染防止対策を十分に講じたうえで、それぞれ閉校記念式典を挙行することとしており、現在、11月の開催に向けて準備を進めているところであります。

統合に関する決定事項などの情報は、「石打小学校・上関小学校統合協議会ニュース」を発行し、地域の方々にお知らせするとともに、その内容を市ウェブサイトに掲載することにより情報発信に努めてまいります。

GIGAスクール構想の推進につきましては、各学校のLAN工事、タブレットの導入、およびネットワークの設定作業が完了し、2学期から使用することが可能になりました。夏季休業期間には、タブレットの操作など、教職員向けの基本研修を実施いたしました。今後もICT教育の充実に向け、学習環境の整備を進めてまいります。

6月定例会で補正予算を議決いただきました、坂戸城跡山頂部の薬師尾根登山道付近の補修工事につきましては、斜面に植生土のうを積み上げるなど、土砂の崩落を防止する補修を実施し、7月中に工事を完了いたしました。

自転車を活用したまちづくり事業につきましては、市民の健康づくりのサポートを目的として、地方創生推進交付金を活用し、電動自転車のレンタルサイクルサービスを開始いたしました。今年度は女性の自転車活用を促進するため、女性限定でモニターを募集し、ニーズ調査を実施することといたしました。今後も健康ポイント事業などと関連付けながら、市民の健康づくりをサポートする取組を進めてまいります。

環境共生

次に、環境共生についてであります。

有害鳥獣対策につきましては、7月末の作況調査では、市内の山の実の結実は一定程度あり、不作から平年並みの状況であります。県全体では、昨年度と同様に結実は悪く、人里へのクマの出没は、昨年に続き警戒する必要があると考えております。引き続き市民に対し、市報や市ウェブサイトを通じて、十分注意いただくよう呼び掛けるとともに、猟友会と連携して対応してまいります。なお、今年度の出没状況は、8月11日現在で、前年比で6件減の22件、昨年よりやや減少している状況でありますが、令和元年からの高い水準となっております。

ごみ処理施設につきましては、施設整備計画に基づき今年度の改修事業に着手し、昨年度の点検結果や健全度評価を踏まえながら、延命化対策を実施しております。引き続き、ごみ処理施設の安定稼働に努めてまいります。

ごみ処理施設周辺の地元3行政区(島新田区、上十日町区、三郎丸区)と施設運営の確認事項を明記した「廃棄物処理施設維持管理に関する協定書」につきましては、三郎丸区との協定期間である5年が満了を迎えることから、(昨年10月の島新田区、今年1月の上十日町区に続き)6月28日に協定期間の更新にご同意いただいたところであります。三郎丸区の皆さんには、先の2行政区同様、長年の広域的なごみ行政へのご理解、ご協力に感謝申し上げる次第であります。

都市基盤

次に、都市基盤についてであります。

当市の道路事業につきましては、社会資本整備総合交付金事業、および国庫補助道路事業として、9億6,107万円(うち国費5億8,881万円)の配分があり、7月末現在、除雪費を除いた発注率で56.8パーセントとなっております。なお、令和2年度の繰越予算を加えた発注率では62.1パーセントとなっており、年度内の工事完了に努めてまいります。

国の直轄道路事業につきましては、令和3年において「国道17号六日町バイパス・浦佐バイパス」の部分開通が予定されております。特に「六日町バイパス」は、余川地区の0.8キロメートル区間(主要地方道十日町六日町線~国道253号)が、本年9月に開通予定であり、各種工事が佳境に入っております。このほか、国道253号八箇峠道路事業をはじめとして、五十嵐入口交差点事故対策事業、上一日市地区歩道整備事業、六日町電線共同溝整備事業などが進められております。引き続き、事業推進に協力してまいります。

砂防事業につきましては、水無川水系で「水無川流域砂防堰堤改築」、三国川水系で「三国川中流域土砂災害対策」、高棚川水系で「高棚川砂防堰堤群」、登川水系で「登川床固工群」などの事業が進められております。

新潟県事業につきましては、「国道291号」、「県道塩沢停車場八竜新田線」、「県道欠ノ上五日町線」、「県道石打停車場塩沢線」などの道路改築事業、「十二沢川」、「伊田川」などの河川改修事業が進められております。

「みんな住マイル改修補助金」につきましては、6月定例会で議決をいただきました補正予算分について、7月5日から追加募集を開始いたしましたが、7月13日で予算額に達したため、予定していた7月30日を待たずに受付を終了いたしました。当初予算分と合わせて、申請受付件数で542件(うち子育て世帯125件)、申請工事の総事業費は、8億8,847万円であります。なお、7月末時点の実績報告兼補助金請求件数は、175件、支払済の補助金額は1,880万円となっております。

交通安全対策の推進につきましては、1月から7月までの市内の交通事故発生件数は31件で、前年同時期より5件の減、負傷者数は35人で、13人の減となっております。死者数は、前年同時期と同様に、現在ゼロ人となっております。今年度も減少傾向であり、コロナ禍による外出自粛等が主な要因であると考えております。引き続き、南魚沼警察署をはじめ、関係機関や団体と協力・連携し、交通事故防止活動に取り組んでまいります。

水道事業につきましては、4月から畔地浄水場を水処理1系列(ひとけいれつ)運転に切り替え、運用を開始しております。これまで以上に三国川の水質監視を強化して運転をしております。非常用水源井戸の整備については、石打地区および中之島地区で、さく井工事が完了いたしました。どちらも水質基準への適合と十分な揚水量を確認しております。また、管路の新設や老朽管の更新につきましては、国の交付金を財源とした耐震化事業の取組や、管路事故が起こった際に影響が広範囲になる箇所についても、順次工事を進めてまいります。

下水道事業につきましては、農業集落排水の流域下水道への接続工事として、三郎丸地内で魚野川を渡す水管橋の上部工が完成いたしました。これにより、中之島地区の農業集落排水の流域下水道への接続が11月末までに完了する予定であります。これに伴い、関係する条例の一部改正を今定例会に提案しております。城内地区では、引き続き、流域下水道への接続に向けた工事を進めております。また、下水道ストックマネジメント計画に基づく、マンホール蓋の更新工事につきましては、市内全域で147か所を施工しております。

産業振興

次に、産業振興についてであります。

稲作につきましては、今年度の田植えの最盛期は5月20日と、平年に比べ1日程度早まりました。田植え後の生育は、日照不足から活着・初期生育は不良となりましたが、6月に入り、高温と日照時間の回復により生育も持ち直し、茎数が急激に増加いたしました。令和2年産米の倒伏による品質低下を受け、気象・生育に応じた中干しによる茎質の向上と、過剰生育防止対策を重点として、関係機関が一体となり、生産者へ注意喚起を行ったところであります。出穂期は、圃場間での差が大きいものの、平年並みとなっており、今後は適正な水管理と必要に応じた病害虫防除により、高品質・良食味米の生産に取り組んでまいります。

八色西瓜につきましては、春先の低温と日照不足による生育の遅れと、6月17日に東地区を中心に発生した(ひょう)と強風雨による生育被害が影響し、出荷量は計画数量を下回っております。販売状況は全国的な品不足に加え、(ひょう)(がい)を受けた果実の対応を早期に行ったことにより、高単価での販売となっておりますが、雹害による出荷量の減少により、販売金額は前年実績を上回るものの、令和元年度実績程度(4.5億円)の見込みとなっております。

観光振興につきましては、ワクチン接種を終えた方に対する「市民向け温泉利用券」の配布を5月2日から始めました。市民の健康増進に加えて、市内温泉施設の利用促進を図ることにより、消費活動の推進と地域経済の活性化に努めております。さらに、この取組の効果を加速させるため、7月1日から市内の入浴施設や、その組合等が3密対策などの感染拡大防止に取り組みながら実施する「宣伝・誘客キャンペーン」に対し、その実施費用の一部について、予算の範囲内で支援を行っております。

なお、この温泉利用券の配布では、魚沼ロータリークラブ様、六日町ライオンズクラブ様、雪国青年会議所様、温泉組合様、観光協会様などさまざまな団体からご協力をいただきました。この場を借りまして心から感謝申し上げます。

商工振興につきましては、「市民向けプレミアム付商品券」の販売を6月21日から開始いたしました。市内の飲食業、宿泊業が実施する新型コロナウイルス感染症予防対策への支援を進めながら、引き続き、市内での経済循環喚起に努め、産業支援と緩やかな消費回復を図ってまいります。

イノベーション推進事業につきましては、チャレンジ支援補助金の採択者への伴走支援に加え、スタートアップアクセラレーション南魚沼による「起業家育成セミナー」を実施いたしました。起業家育成・事業創発拠点の整備を進めるとともに、地域産業の競争力強化や稼ぐ力を高める人材の育成に努めてまいります。

行財政改革・市民参画

次に、行財政改革・市民参画についてであります。

行政改革につきましては、アクションプランとして具体的な事務事業の改善に取り組み、行政改革推進委員会が評価を行うPDCAサイクルにより進めております。

地方創生事業につきましては、まち・ひと・しごと創生推進会議を開催し、令和2年度の地方創生推進交付金事業の効果検証を行いました。各分野の有識者の方々からいただいたご意見を踏まえ、令和3年度から新たに取り組む地方創生推進交付金事業がより効果的な事業となるよう努めてまいります。

「南魚沼市人権教育・啓発推進計画」につきましては、7月29日に「第1回南魚沼市人権教育・啓発推進委員会」を開催いたしました。今後は、市の各種計画における人権に関する具体的な取組について、PDCAサイクルで効果を検証してまいります。また、9月11日にはコミュニティホール「さわらび」を会場として、県下の保育関係機関を対象とした「第2回新潟県人権保育研究集会」が開催される予定であります。

令和2年度決算および財政執行状況

次に、令和2年度決算および財政執行状況についてであります。

一般会計決算につきましては、歳入総額423億8,870万円、歳出総額407億7,768万円と、いまだかつてない巨額な決算となりました。この主な要因は、ご存知のとおり、新型コロナウイルス関連で、国、県からの補助金・交付金が増額されたこと、これを原資にしたさまざまな生活支援、経済支援策を実施したことに伴う歳出の増額であります。「未曽有の事態」という言葉が幾度となく使われた年でありました。まさしく誰一人経験したことのない、切迫した異常な事態に対し、試行錯誤を繰り返し、また、さまざまなご批判も受けながらではありましたが、市民生活の安寧確保、市民経済の活性化のため、精一杯、果敢に立ち向かった年であったと考えております。

歳出では、新型コロナウイルス関連で、定額給付金など、国の生活支援に係る経費が約63億1千万円、プレミアム付き飲食・宿泊券など、市独自の経済支援策として約11億4千万円、合わせて74億5千万円ほどの増額となりました。半面、投資的経費は、約10億8千万円減少いたしました。これは、樋渡東西線関連事業といった大型建設事業や、小・中学校空調整備事業などが完了したことによるものです。

このほか、記録的な集中降雪の影響により、道路除排雪経費などで維持補修費が約6億5千万円の増額、また、ふるさと納税寄付金は33億9,327万円と、前年度比でおよそ2倍の伸びを記録しました。これに関連した物件費は約5億8千万円の増、積立金は約12億8千万円の増となりました。これらによりまして、歳出総額は89億2,709万円の大幅な増額となりました。

歳入では、新型コロナウイルスの影響により、固定資産税と入湯税を合わせて、約1億円の大幅な減収となりましたが、これに対する補てん分も含めて、特別交付税および地方消費税交付金が増額されたことなどにより、経常一般財源全体では、約1億9千万円の増額、歳入総額では90億6,931万円の増加となりました。

繰越明許費など翌年度への繰越額を含んだ形式収支は16億1,101万円となり、繰り越すべき財源である2億5,499万円を除いた実質収支では、13億5,602万円となりました。前年度の実質収支である12億6,683万円との比較による単年度収支では、8,919万円の黒字であります。また、新型コロナ関連の経費は、そのほとんどが国費で賄われたことから、経常収支比率は87.2パーセントで、前年度比0.1ポイントの上昇にとどまりました。

水道事業会計の決算につきましては、経営成績となる収益的収支(税抜き)では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、昨年比1,301万円の減となる380万円の純利益にとどまり、大変厳しい経営状況が継続する結果となりました。資本的収支(税込み)では、12億488万円の不足が生じたため、過年度の損益勘定留保資金等で補てんいたしました。

また、未処分利益剰余金については、今後の水道事業の経営状況や投資計画を見据えたうえで、減債積立金の積立ておよび資本金への組入れによる処分案としております。

下水道事業会計の決算につきまして、経営成績となる収益的収支(税抜き)では、公営企業会計移行後の本格的な事業運営として、2億5,548万円の純利益を確保いたしました。資本的収支(税込み)では、8億3,886万円の不足が生じたため、損益勘定留保資金等で補てんいたしました。

また、未処分利益剰余金については、今後の下水道事業の経営状況や投資計画を見据えたうえで、減債積立金の積立ておよび資本金への組入れによる処分案としております。

病院事業会計の決算につきましては、収益的収支(税抜き)では、総収益52億362万円、総費用57億7,646万円で、差引き5億7,284万円の純損失が生じることとなりました。これは、給与費や資産減耗費の増、材料費や経費、病院再編時における新規購入医療機器や、建物にかかる減価償却費の高止まりなどが主な要因であります。

資本的収支(税込み)では、2億1,972万円の不足が生じたため、当年度分損益勘定留保資金等で補てんいたしました。

次に、令和2年度決算にかかる健全化判断比率および各事業会計における資金不足比率についてであります。実質赤字比率、連結実質赤字比率については該当がありませんでした。実質公債費比率は12.9パーセントとなり、昨年度より1.1ポイント減少いたしました。昨年度は、企業会計への繰出金の減少が特殊要因としてありましたが、令和2年度は特質すべき変動はなく、3か年平均において高率だった平成29年度が外れたことが主な要因であります。将来負担比率につきましても、各会計の地方債現在高が減少傾向にあることや、公営企業債等繰入見込額が減少したこと、ふるさと応援基金の増額により充当可能基金が増えたことなどから、71.0パーセントと、昨年度から35.5ポイントの大きな低下となりました。特別な事情がなければ、今後も同程度か、緩やかに減少する傾向が続くものと推測しておりますが、将来的には、新ごみ処理施設の建設や公共施設の統廃合にかかる経費などで上昇は避けられない見込みであり、それらに備えなければなりません。また、国の動向等による標準財政規模の変動も影響するものであり、今後も計画的な事業の推進を図るとともに、地方債の抑制を図りながら、各比率の推移を注視してまいります。

一般会計補正予算

令和3年度一般会計補正予算(第5号)を専決処分いたしましたので、今定例会で報告いたします。

一般会計補正予算(第5号)は6月28日に専決処分といたしました。国から新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費国庫補助金4,800万円が追加で交付決定されたことに伴うものであります。7月5日から本格稼働の常設接種センターについて、早急に体制強化を図る必要があることから専決処分とし、会場整備や運営に係る経費として、衛生費に当該金額を追加計上いたしました。以上により、歳入歳出総額を321億874万3千円といたしました。

今定例会に一般会計補正予算(第6号)を提案いたしました。主な内容といたしましては、まず、第8弾となる市独自の新型コロナ対策事業であります。前回、6月定例会において大きく意見が分かれましたが、それ以後、いかなる支援が、今、南魚沼市において真に求められているのか、その最も効果的な内容と時期について慎重に検討してまいりました。市内の経済団体の方々とも意見交換を行うなかで、この秋から冬季に向けた観光集客と、市内での消費回復に重点を置いた施策を実施することといたしました。ワクチン接種の進展による感染の収束を期待しながら、本格的な復興に向け、更なる支援を行うものであります。その目玉として、昨年に引続き、今冬も「雪恋第2弾」として、プレミアム付き旅行券を発行することとし、実施に必要な費用1億3,000万円を計上いたしました。また、停滞している飲食業への誘客を図る必要があることから、国県の感染防止対策のガイドラインを遵守していることを積極的にアピールする、市独自の運動を展開するとともに、来店者に対し、何らかの特典を付けるなど、飲食店の利用促進を図るキャンペーンを実施いたします。これに参加する店舗に対し、一定額の協力金を支給することとし、これらに必要な費用として1,900万円を計上いたしました。現在販売しているプレミアム付き商品券や、10月開始予定の「本気丼」との相乗効果により、市内経済の底上げを図ってまいります。このほか、4月から半年間の予定で実施してきました緊急雇用対策について、経済・雇用状況が未だ従前の水準に回復していないことから、10月以降もこれを継続することとし、必要経費として職員費に1,044万円を計上いたしました。

このほか、「第8期介護保険事業計画」で整備する認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)の施設整備補助金として、3,628万円を計上し、道路橋りょう維持補修事業費では、舗装工事費に3,500万円を、また、北原住宅の解体工事費および上原住宅の工事費追加分として、市営住宅総合改善事業費に1,285万円を計上いたしました。災害復旧費には、7月24日の集中豪雨により被害を受けた、市道花岡線の道路災害復旧工事の経費として4,200万円を計上し、その他、決算額の確定による各種補助事業の清算として、過年度国県補助金返還金をそれぞれに計上いたしました。

歳入では、新型コロナ感染症による経済対策として、減免した固定資産税の現年課税分2億7,300万円を市税収入から減額いたしました。これは全額、国が補てんすることとなっており、同額を新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金に計上いたしました。

前年度純繰越金は、実質収支額と現予算額との差額11億8,538万円を追加いたしました。収支差額につきましては、第一に当初予算で財源調整として計上していた財政調整基金繰入金を全額解消することとし、そのうえで、今後の市独自支援策の発動に備えた財源として財政調整基金に1億円を積立てるほか、予備費に5,000万円を計上することで調整いたしました。

以上により、歳入歳出総額に6億9,252万5千円を追加し、総額を328億181万6千円としたいものであります。

結び

「東京オリンピック」は、残念ながら無観客での開催となりました。雪を自然エネルギーとして利活用する「暑さ対策への地方からの貢献」を進める中、今回の「東京オリンピック・パラリンピック」をその集大成と位置付け、事業を進めてまいりました。本来であれば、東京都、江戸川区、さいたま市と連携し、事業を実施する予定でありましたが、中止せざるを得ない状況となり、私としては大変残念であります。しかし、日本人アスリートの皆さんがめざましい活躍をする姿は、大変誇らしく、市民の皆さんも大きな感動と元気をいただいたのではないでしょうか。

一日も早く、市民の皆さんの明るい日常を取り戻すためにも、引き続き、市民全員のワクチン接種完了に向けて邁進してまいります。

このほかにも課題が山積しておりますが、議員各位をはじめ、多くの方々のご意見を尊重しながら、この難局を乗り切っていきたいと考えております。何卒ご指導、ご協力賜りますようお願い申し上げ所信表明といたします。

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