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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」平成29年度「むーけーげー(無罣礙)」 平成29年12月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 平成29年12月1日

掲載日:平成29年12月1日更新

ふるさとは言うことなし

大和・東地区の水無川上流、県道に架かる「大倉橋」が、3年余りの工事を経て竣工しました。待望久しかった思いの表れか、あいにくの大雨でしたが、10月29日(日曜日)の渡り初め式には、工事関係者はもちろん実に多くの地域のみなさんが集まり盛大に行われました。市長として招かれ祝辞を述べましたが、立場を超えた感慨も。県から依頼いただき、橋名板(きょうめいばん)を書かせてもらったことがその理由です。地区の人から「市長に書かせてやれ」という声が県にあったのだとか。実は幼少のころ、家業の事情で父母は懸命に働かざるを得ず、私は母の生家に長期間預けられることが多く、この地区の山や川が私にとって故郷の原風景になっています。あの唱歌「故郷(ふるさと)」を歌うとき、瞼(まぶた)に浮かぶ情景。私にとってはまさにこの場所なのです。地区の人は、そのことを覚えていてくださったのでしょう。書など覚えのない私ですが、夏の終わりの日曜日、誰もいない市長室で「粋な計らい」に応えんと何枚も書き損じながら、でもうれしさいっぱいで書かせてもらいました。ご鑑笑(かんしょう)いただければ幸いです。
先月は、市内3中学校の閉校式典を行いました。「故郷(ふるさと)」を歌う機会も。私は思いました。一番の歌詞は「うさぎ追いしかの山 小鮒釣りしかの川」子どもの声がしなくなった…と、嘆く人が多いがなぜか。私たち大人が子どもの成長にとって大切な何かを奪っているのではないか。本気で考え直す時が来ていると思えてなりません。三番の歌詞には「志を果たしていつの日にか帰らん」とある。しかし、もはや昭和の人生観?私は今、「若者が帰ってこられる、住み続けられる南魚沼(ふるさと)」を市のテーマに掲げてがんばろうとしています。心にしみる唱歌を軽んじているのではありません。これからは、志を果たしてから帰るのではなく、ここに居ながらそれを果たせる故郷となるように。それを願うことや切。

「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな 石川啄木」

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