掲載日:令和4年12月1日更新
足下に泉あり
日本雪工学会上信越支部と当市の主催で開催した「第37回雪のシンポジウム」。
圧巻は、小泉進次郎衆議院議員による「雪国から始まる、環境と経済が一つになる時代」と題した基調講演でした。聴衆を一気にひきつける爽やかな弁舌。この人が話すと本当にそうなる、と思ってしまう説得力。天才をみる思いがしました。
お付き合いの始まりは、環境大臣だった当時の小泉さんを大臣室に訪ね、「雪の利活用は暑さ対策で五輪にも寄与できるが、本旨は地方創生であって、代替エネルギーとしての将来性も大きい」と訴えたことでした。その後も、「ぜひ現場を視察されませんか」とお誘いしていたのです。今回、形を変えて現実に。パネルディスカッションでは、魚沼地域の取り組み紹介に真剣に耳を傾けておられました。
今や貯蔵・熟成など大型雪室倉庫は市内に12棟。隣市工業団地への企業進出など、魚沼圏域は国内トップレベルで雪冷熱利用の産業化が進んでいます。
小泉さんは、「地球温暖化の大課題に雪の持つ力や可能性が極めて有効だと改めて知った。脱炭素や持続可能な社会モデルの実現に大いに寄与して欲しい」と。
私たちの思いを代弁してくれているかのようで、5年に及ぶ取り組みに一つの到達点を見た思いがしました。
大災害時に電力が喪失しても稼働できる冷蔵倉庫。上越魚沼地域振興快速道路や国道バイパス、狭隘な老朽化した三国トンネルなど県境の課題解決に向けて進む歴史的な事業。関東圏との入り口にある南魚沼の交通の要衝化は着実に進みます。
その中で雪の利活用、産業化はどうあるべきか。
有史以来苦しみの対象でもあった雪が、救世主となる好機かもしれません。化石燃料費の高騰などに左右されない街。最終的な形は、市民生活が当たり前に自然由来のエネルギーで賄われている姿を夢想するのです。
足下に泉あり。持てる宝で勝負すべき。小泉さんはそう言われている、と聞き入っていました。