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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和2年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和2年10月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和2年10月1日

掲載日:令和2年10月1日更新

松井利夫さんのこと

絶句する、という言葉は知っていても経験は少ない。

大きく報道もされた松井利夫さん(77歳)の高額寄附のお申し出には本当に驚かされました。その金額にだけではありません。

松井さんは当市五十沢地区出身で、六日町高校を卒業後、まさに裸一貫で起業し、その技術者派遣会社である株式会社アルプス技研を東証1部上場の企業にまで育て上げ、現在は創業者最高顧問を務められています。国内外に29拠点、年商約363億円、従業員は5千人を超えています。(令和元年12月末現在)

「社会に出て60年、故郷に貢献したい」という松井さんの思いを受けて、コロナ禍の下、細心の注意を払って私が本社を表敬訪問したのが8月末。松井さんに初めてお会いし、そのお人柄に心を打たれた。

松井さんは「若い起業家が出なければ地域の産業振興、経済活性化はできない。人づくりだよ」と、故郷への思いや公益財団法人を設立し起業をめざす若者に奨学金を出してきた経験を、熱を込めて語られました。引き込まれた。
寄附をするだけではなく、「経験のすべてを教えるつもりで、力を貸す。一緒にやろう」と。成功事例の筆頭に、多くの人材を輩出し、地域が変わっていった北海道十勝地域での支援事業が挙げられる。実際の起業や経営の難しさを、松井さんや財
団が指導し実現させる。ここが「一緒にやる」のゆえん。私も真剣に地域課題や夢を話しました。

帰り際に松井さんから、当市に1億円を寄附することを明言され、驚いた。それから半月も経たないころ、再び松井さんから連絡があり、「コロナ後の働き方改革の先頭を行く。自然豊かな南魚沼を新たな働き方を提唱する街として、都会の一極集中
ではない『リゾートオフィス』の構想を立てて取り組んだらどうか?」その事業のために2億円を増額して寄附したいという。

松井さんの夢と私たちの思いが一致した結果だが、喜びを超えて今は緊張感の方が大きい。多くの知見や情熱を集めて、後世に語り継がれるような事業を展開したい。

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