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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和2年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和2年11月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和2年11月1日

掲載日:令和2年11月1日更新

ツキノワグマ

恐れていた事故が起きてしまった。
被害に遭ったお二人が幸いにも大事に至らず安堵 したが、脅威は続いています。

夏から始まったクマの出没は、空前の出没数だった昨秋を大きく上回っています。「子どもたちを守れ」と昨年は11月に始めた登下校バスの対応を、今年は9月から前倒しする事態に。市はすでに発令していた「クマ出没注意報」を10月11日に「警戒警報」に引き上げて体制を強化しました。

県内では平成13年以来19年ぶりとなるクマによる死亡事故が発生し、出没は山間・市街地域の区別もない状態に。何かが狂ってきていて、温暖化や山の荒廃が原因とか、子グマの時から親グマと里に来て恐れを感じなくなった新世代のクマだとか、さまざまなことが言われていますが、市は必要に迫られた駆除などを猟友会に頼らずにはいられない。クマやサルに限らず、猟友会のみなさんの理解と献身的な協力には頭が下がります。会員数は高齢化などで減少していましたが、近年は女性を含む若い人の入会が増えていると聞き、ありがたく本当に頼もしく思います。

私の亡父は「鉄砲撃ち」で、村の仲間と連れ立って遠くは湯沢の奥地まで獲物を追うことが多かった。狩猟は趣味の領域で自然とのバランスが保たれていると、子どもの目にも映っていましたが、今はどうか?時代は明らかに変わり、クマなどの駆除が本来の目的ではないはずの猟友会のみなさんに大きな負担を強いていることが心苦しい。

昨秋のクマによる脅威を経験した首長として、「市民生活を守る最前線を猟友会任せにしていてよいのか?」「市街出没などの困難な対応には、県警などで特務部隊を創設する必要があるはず」と課題提起し、現在ようやく市長会などを通じて動き出している矢先の惨さん禍か 。現状に体制が間に合わないジレンマの中、動物愛護団体との見解の相違による苦い経験もした。

クマが悪いわけではないが、この脅威とどう向き合うか。森林の蘇生や共存バランスの復活など、新たな知恵と努力が欠かせない。

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