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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和2年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和2年5月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和2年5月1日

掲載日:令和2年5月1日更新

マスク不足の中で

国民約38万人が亡くなったという20世紀最悪の伝染病、スペイン風邪。
それからちょうど100年、現世を生きる誰もが未経験の事態となっています。

この新型コロナウイルス感染症の流行当初、特にマスクの欠乏がいわれ、実際に入手困難になりました。ならば自分は「買わない」と決めたのは、仏壇の亡き父や祖父の遺影が「逞たくましさをなくすな」と諭しているように思えたからです。ハンカチに輪ゴムをホチキス留めした自作の「口覆い」でいこう、と。

さまざまな意見がある中、国から1世帯に布マスク2枚の配布が始まりました。市は国の決定より前に小中学校、総合支援学校の児童生徒・教職員に2枚の布マスクの配布を決め、市内の縫製業者の製作協力を得て、4月中に配布を完了しました。
ドラックストアに並ぶ行列で、学校再開に備え「孫のため」のマスクの購入だという祖父母の声があることを聞き心が痛んだこと、さまざまな理由でマスクをそろえられない場合もあり、格差などを生んではならないという思いからの対応でした。

国の配布決定の際、非難ばかりの報道を見て思っていたことがあります。「残念だな」と。政府の方針を批判する気はありませんが、ただ、せっかくなら我々地方自治体に任せればよいではないか。地方には小規模の縫製業者は数多く、経済対策の一助にもなる。配布は、地方こそ強固な地域組織でやれる。もっと我々を頼れ、と。焦れて待っている他の支援策にも通じるところです。

「風雨同舟」(みんなでともに乗り越えよう)と箱に大きく書き、大量のマスクを贈ってくれた国際大学の中国人卒業生のみなさんや匿名で1万枚を超えるマスクを寄贈してくれた市民。手製の布マスクを学校に届け続けるお母さんなど、多くの温かいご支援も。諸外国のような強制力がない中で、ここまで持ちこたえている国もない。

自らに自信を持って、今は非難より団結で乗り越えたい。

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