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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和2年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年3月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年3月1日

掲載日:令和3年3月1日更新

雪国からの挑戦2~市報2月1日号からの連載~

小さな雪国の自治体首長が、小泉環境大臣と橋本東京オリンピックパラリンピック担当大臣に面会して何を伝えたかったのか。

多忙な公務日程を割いていただき直接大臣室にお伺いすることは簡単なことではありませんが、思いを書簡(しょかん)にしたため知己(ちき)の応援も得て実現したものです。
お二人に、当市が「世界に雪の力をアピールしたい」と始めた雪の利活用プロジェクトへの協力を要請しつつ、さらに「真の目的は産業利用と地方創生につなげるため」だと強調しました。

すでに当市には10棟の大規模な雪室(ゆきむろ)倉庫があり、その産業化は全国のトップレベルで進められていることを紹介し、予見される大規模災害などで電源が喪失しても耐え得る冷蔵施設であり、医薬品の備蓄など国土上のリスク分散にも極めて有効であることや、産業だけでなく公共・民間施設への普及促進は「脱炭素社会の実現」に雪国が参画できる誇りある取り組みとなる、とも。
当市は今後も継続して取り組んでいくが、国の自然エネルギー政策に「雪」の位置付けを引き上げて、モデル事業の創設や地域指定を協働できないものか。
その際には南魚沼がその先頭に立ちたいと伝えました。
両大臣とも真剣に耳を傾けてくださり、予定時間を超えて異例と思える対話の厚遇をいただけたことに感激しました。

「雪地獄 父祖の地なれば 住み継げり(当市出身の阿部諒村(りょうそん)さん作)」昭和13年、大惨事となった十日町市の映画館の屋根崩落事故の犠牲者にささげられたこの句を若いころに知り、つらい除雪作業の折には私も怨嗟(えんさ) の思いを持ちながらつぶやいてきた。

有史以来の苦難を知り、今冬の大雪の疲労の真っただ中にある市民のみなさんからは「雪、雪」と騒ぎ立てるなとお叱りを受けるかもしれませんが、私は「ならばこその雪の活用」であって、ここに住み継ぐ私たちが挑むべきテーマであり、その資格と使命があるのだ、と伝えたかったのです。

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