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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和3年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年4月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年4月1日

掲載日:令和3年4月1日更新

20年後の市長さんへ

2000年11月の「第10回しおざわ産業まつり」、世紀が変わる記念事業としてタイムカプセルに封印していた約850通の手紙が、今年取り出されました。
20年後の自分や家族・友人など思いのある人へ宛てたものです。

1月末の開封式に参列し、山積みの手紙の中に知り合いの名前をたくさん見つけました。
今や逞たくましい若者になっている彼らがまだ幼い文字で自分宛てに書いたもの、すでに他界された祖父母が孫に宛てたもの、当時結婚前だった女性がのちの旦那さんに書いたものなども。
「ああ、いろんなドラマが生まれるだろうな」と、それらが届くみなさんをうらやましくも思いましたが、まさか自分にも届くとは!

宛名は「塩沢町役場内、20年後の町長さんへ」。差出人は市内にお住まいの視覚に障がいのある方でした。
お手紙には、「21世紀がスタートいたします。…子どものころから差別や偏見を直に体験してきただけに、障がいのある人たちが幸せになるための活動に参加してきました」とあり、「公共施設のすべてにスロープや点字ブロックが整備されて不自由がなく、重度障がい者が安心して働ける職場、農村の古いしきたりからの解放、外国人のお嫁さんが困ることの無いよう…」などの思いがつづられ、「この町が、憧れの豊かな住みよい町と言われるように、お互いに努力いたしましょう」と結ばれていました。

感激した私は、すぐに返事を差し上げました。
「20年前の〇〇さん、お手紙ありがとうございます。令和3年はあなたの想像された未来になっていたでしょうか。…『憧れの街、豊かな街』と言われるよう今後も努力します」と。

明日は必ず良くなる、誰もがそう信じてがんばっていると思いますが、市の課題は尽きません。
タイムカプセルはありませんが、いつかこの職を辞す前に、未来の市長宛てに手紙をしたためておこう、と思った次第。
「20年後開封可」と書いて、市長室の机の中に。
「心配ご無用」の返事を期待しつつ。

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