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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和3年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年5月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年5月1日

掲載日:令和3年5月1日更新

人口減少問題に思う(前編)

少しでも子どもが増えるきっかけになれば。
市は「めごちゃん祝い金」として、第1子の誕生に12万円、第2子に15万円、第3子以降に20万円を支給する新たな支援制度を令和3年4月から開始しました。
加えて、子ども医療費助成の対象年齢を18歳の年度末までに拡大しましたが、どちらも人口減少対策の一環です。
市政最大の課題ともいえ、3月に開催した北辰小学校の児童との意見交換会では、なんと!小学生から「人口減少を防ぐには」と、提言をもらったほどです。(意見交換会の様子は市報3月15日号に掲載)

最近手にした資料に、太平洋戦争の開戦直前、昭和16年1月に閣議決定された人口政策確立要綱」があります。
産めよ増やせよの戦時体制一色の内容かと思いつつ読んでいくと、その先入観とは異なるもので驚きました。
前文の「東亜共栄圏建設の歴史的大使命に鑑かんがみて…」や、目的の「国防国家における兵力および労力の必要を確保する」などの記述は想像通りでしたが、多くは令和の私たちを取り巻く課題と解決策に酷似するものだったのです。

当時の人口7,254万人を20 年後には1億人にするというもので、方針の「婚姻年齢を3年早むると共に1夫婦の出産数平均5児に達することを目標」との記述には、「ああ、当時にして晩婚化を危惧していたのか…」と思ったり。
また、個別対策としては、積極的な結婚の紹介やあっせん、結婚費用の軽減や婚資貸付制度の創設、婚姻を阻害する就業条件の改善(今でいう、働き方改革か)、家族手当制度、死亡率を20年間で35パーセント削減するための乳幼児保護と結核や自殺の予防、学校衛生や保健・体育施設の拡充、全国民を対象とした健康保険制度の創設(今に続く、国民皆保険制度か)や過労防止策も掲げ、栄養知識や給食の普及までうたわれています。

私が特に注目したのは「特に大都市を疎開し人口の分散を図ること。これがため、工場、学校等は地方に分散せしむる如く措置する」の記述。

あの時代ですでに地方創生ともいえる国策を掲げていることに驚きました。
今と同じだ、と。 (次号につづく)

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