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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和3年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年6月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年6月1日

掲載日:令和3年6月1日更新

人口減少問題に思う(後編)

コロナ禍で新しい働き方などが話題となり、地方創生のチャンス到来といわれています。
私も大いに関心があり、行政も取り組むべきと考えますが、人口減少問題の「肝は別」ではないか。
やるべきことは二つあると思うのです。

一つは、よいモデルに学ぶこと。
人口8,300万人のドイツは、果たして困っているのか。日本と国土面積がほぼ同じで、大敗戦からの復興や勤勉気質も似ているが、ドイツのインフラ整備は道路・鉄道網だけを見ても日本の1.5倍、人の移動や物の輸送時間の比較では日本はドイツの1.5倍かかるとも。
主要先進国の中で最もインフラ整備が進んでいないのは日本だという驚き。
混迷の時代だからか、田中角栄待望論がブームです。
今、もし田中さんだったら何をいうか?「君ッ!私たちが額に汗して、何のために列島改造を訴え、高速道路網を巡らさんとしたのか!」と、あのだみ声で一喝されそうです。
首都圏に人を送り出し続ける仕組みから、地方から首都圏などに通える世の中に。国策で通勤・通学の交通費負担を限りなくゼロに近づけること、百の議論よりもこの一手で地方が一変すると思っています。

もう一つは、何より国民所得を国家存続の観点で上げること。
消費税導入後、国は300兆円の法人税減税を行ってきましたが、実は、不況下でその多くは企業の内部保留に。所得はいつしか先進国の中で最下位。
少子化の最大の原因は、結婚しないことだと分かっていますが、その真因は4割近くの労働者が非正規雇用だからということも。結婚して少なくとも20年は安定した収入がなければ子どもを持つことは難しい。
企業の理論では困難なこの是正を、国策として力強く進めていく。並行して、地方移転を後押しし、応える企業には手厚い法人税減免などのインセンティブを与えること。

鬼気迫る、肝に触れる本物の議論がされないものか。田中さんなら今、このことをいうはずだ。
地方から生気を取り戻さなくては。

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