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ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和3年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年9月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和3年9月1日

掲載日:令和3年9月1日更新

夏の夜の映画会

あれは地元の鎮守様の境内だったか? それとも母の郷里の祭りだったか。
遠い記憶ですが、夏休みの夜、仮設の野外映画会に村人がにぎやかに集まっていた光景を思い出します。
子どもたちはあめやラムネなどを握りしめて。
当時の大人も、子どもたちに楽しみを与えてあげたかったのだろうと思います。

人流も少なく、長雨に苛まれた静かすぎる盆が明けた8月17日から22日までの6日間、初の試みとして「ドライブインシアター」を開催しました。
家族などで楽しめる6作の映画を、大きな駐車場がある市内の3会場に設置した野外特設スクリーンで。これを市が発案・主催したきっかけは、あるマンション住民からの提言でした。

「市長、あなたは移住・定住の推進などと語っているが、映画館が無いのはネックだね」というのです。
「映画の新作が都会並みか、他の市や町よりも早く上映できるようにしてはどうかね?」と。
実は、当市の若者や子どもたちへのアンケート調査で、興味深い結果のひとつが正にそれで、「この街にあって欲しいもの」の回答は、1位がショッピングモール、次が映画館。

私もそう思っているが、地方では難しい課題。「簡単ではないなあ」と、これまでは。
コロナ禍で、せっかくの夏休みなのに出歩くことも制限され、ふさぎがちな子どもたちに何か思い出の贈り物を!
その思いに共鳴してくれた雪国青年会議所や各商工会青年部のみなさんの協力も得て実現した上映会。
想像以上の盛況で会場の雰囲気も良かった。帰路につく車の窓から、「よかったよ!ありがとう」など多くの言葉をかけられたスタッフは、労も報われうれしかったはず。

人との関係が希薄な時代ともいわれます。ましてやコロナ禍。そうであればこそ、同じ空間で泣き笑いし、感情を共感する映画の再評価があり得る。自宅でDVD鑑賞するなら気楽この上ないが、そこでは得られないもの。常設の映画館が無くとも、やる気とアイデアがあれば変えられるぞ。そう思えた夏の夜でした。

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