南魚沼市では、各行政区から「健康推進員」を選出していただき、地域の健康づくりに取り組んでいます。
健康推進員は研修会に参加し、健康づくりの知識を学んでいます。
このページでは、第8期(令和3年度~令和4年度)の健康推進員活動や研修会の内容を紹介します。
第8期(令和3年度~4年度)南魚沼市健康推進員活動実践集
健康推進員が2年間の任期中に活動した記録を「南魚沼市健康推進員活動実践集」としてまとめています。
第8期は、第7期に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で集会の形で行うことが難しい状況でしたが、研修会の資料を地区で回覧、配布したり、感染症対策を徹底し少人数で集会を行ったりと、さまざまな工夫を凝らして地域のみなさんに健康づくりに関する情報を発信していただきました。
第8期(令和3年度~4年度)南魚沼市健康推進員活動実践集 (PDF 3.04MB)
活動内容の一例
- 市の歯科衛生士による歯と口腔の健康に関する講話を企画した。地区担当保健師と協力してチラシを作成し区全体に周知したり、友人に声をかけたりした。地区で活動している「筋力づくり教室」(注1)のあとに開催することで、15人の参加があった。
- 食生活改善推進員と筋力づくりサポーターと協働で、コロナフレイルの予防を目的として浦佐の毘沙門堂の見学を企画した。見やすいように工夫したチラシを老人会に配ったことで、17人の参加があった。
(注1)「筋力づくり教室」とは、 南魚沼市内において筋力づくりサポーターの協力のもとに実施している介護予防のための運動教室のこと。
第1回研修会「コロナに負けない健康づくり~コロナ禍で認知症・糖尿病が増加~」
上村医院院長の上村伯人様から、新型コロナウイルス感染症流行下での生活習慣病、特に認知症と糖尿病について、日常生活での予防ポイントを教えていただきました。
主な感想
- 食生活を見直すきっかけになった。食事について改めて考えたいと思った。
- 運動の大切さがわかった。
- 健康を維持するために勉強になった。
自分自身が取り組めそうだと思ったこと(多く聞かれた意見)
- 塩分の取りすぎに注意する。
- 生活に運動を取り入れる。今実践している運動を続ける。
- たばこの本数を減らす。禁煙する。家族に禁煙を勧める。
- 家族や仕事仲間などの身近な人に、学んだことを伝える。
第2回研修会「お酒と健康を考える講演会」
国立病院機構さいがた医療センター院長の佐久間寛之様と副看護師長の村山裕子様から、アルコールが心身に及ぼす影響や依存症、自殺との関連性、アルコールの正しい飲み方、多量飲酒者との関わり方などについて教えていただきました。
また、市の保健師が、自殺を防ぐためのゲートキーパー(注2)の役割についてお話ししました。
(注2)「ゲートキーパー」とは、「悩んでいるけど相談できない」「どこに相談したらいいかわからない」という人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な相談先や支援につなげ、見守る人のこと。
主な感想
- 適正なお酒の量がわかった。自分や家族のお酒の飲み方を考え直そうと思った。
- 依存症のことがわかった。お酒のトラブルがある人への対応方法がわかった。
- 県内に依存症専門の病院があるとわかった。
自分自身が取り組めそうだと思ったこと(多く聞かれた意見)
- 身近にいるお酒をよく飲む人に伝えたい。
- 休肝日をつくりたい。お酒の量を見直したい。
- お酒のトラブルがある人には、寄り添ったり話し合ったりしながら、信頼関係を大切にしてサポートしたい。
- ゲートキーパーとして周りの人に目配りしたり、気になる人を保健課につないだりしたい。
第3回研修会「おうちでできる運動~生活不活発病を予防しよう~」
エリアドゥ21の関口陽子様から、新型コロナウイルス感染症の流行により、生活の中で活動する機会や範囲が減ったことで生活不活発病が起こりやすい環境になっていることなどを教えていただきました。
また、生活不活発病を予防するために自宅で気軽にできる体操を実際に体験しました。
主な感想
- 楽しかった。体を動かして気持ちがよかった。
- 気軽にできる体操だったので、今後も取り組めそうだと思った。
- 頑張りすぎずに、無理なく体を動かす、日常の合間に少しずつ運動することが大切だとわかった。
自分自身が取り組めそうだと思ったこと(多く聞かれた意見)
- 学んだ体操などの簡単な運動を、家事の合間や仕事の合間などの少しの時間に取り組みたい。
- 資料を回覧したり、声をかけたりして地域の人に広めたい。
第4回研修会「災害時の食の備えと歯の健康を考える」
市の栄養士と歯科衛生士が災害時の食の備えと歯の健康についてお話ししました。
簡単な備蓄の方法として「ローリングストック(注3)」やオススメの備蓄食品、災害時の水不足などに備えるためにオススメの歯科用品や日頃からお口の機能を維持するためのお口の運動やマッサージを紹介しました。
(注3)「ローリングストック」とは、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限・消費期限の古いものから消費し、消費した分を買い足す方法のこと。
主な感想
- 家庭での備蓄について改めて考える機会になった。備蓄品を見直そうと思った。
- 歯や口の健康の大切さを改めて感じた。歯科の受診や健診を再開したり続けたりしたいと思った。
自分自身が取り組めそうだと思ったこと(多く聞かれた意見)
- 家庭の備蓄品を見直し、日ごろから災害に備えたい。歯ブラシなどを防災グッズに加えたい。ローリングストックをしていきたい。
- 備蓄品の使用期限、消費期限を確認したい。非常食の味見をして、口に合うか確認したい。
- パッククッキング(注4)をやってみたい。
- 口の体操を生活に取り入れたい。
- オーラルフレイル(注5)について周りの人に伝えたい。
(注4)「パッククッキング」とは、食材を入れた耐熱のポリ袋を湯せんして加熱する調理法のこと。
(注5)「オーラルフレイル」とは、噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えている状態のこと。
第5回研修会「ストレスと上手くつきあうセルフケア」
萌気園浦佐診療所院長の黒岩巌志様から、自分のストレスサインに気づくこと、心の不調に気づいたときの対応、うつやアルコールなどと自殺の関連について教えていただきました。
また、市の保健師が、自殺を防ぐためのゲートキーパーの役割についてお話ししました。
主な感想
- 自分のストレスサインを知ることが大切だとわかった。
- 南魚沼市の自殺の現状に驚いた。難しい問題だと思った。
自分自身が取り組めそうだと思ったこと(多く聞かれた意見)
- なるべくストレスを溜めない、食事や睡眠に気を付ける、自分の時間をつくるなどのセルフケアをする。
- 家族や近所の人の様子がいつもとちがうと思ったら、声をかけたり話を聞いたりする。
第6回研修会「生活習慣の改善で予防する認知症」
南魚沼市民病院院長の加計正文様から、各年齢階級で増加しつつある認知症について、高血圧や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病が原因や悪化因子となることを教えていただきました。
あわせて、食事や身体活動といった生活習慣と認知症の関係についてお話しいただき、認知症の予防と健康寿命の維持のために必要なことを学びました。
また、第8期健康推進員活動の締めくくりとして、2人の代表者から2年間の任期中に実践した活動を発表していただきました。
主な感想(2年間の任期を終えての感想など)
- さまざまな研修会に参加することで、今まで気づかなかったことや、知っていても詳しくはわからなかったことをよく知ることができて、自分の役に立った。
- 研修内容は、健康推進員だけでなく広く一般の人にも聞いてもらいたいと思った。
- 健康推進員の活動を通して、地域の人とのつながりができたり、活動に関心を寄せてくれる人から連絡をもらったりしたことで、地域の役に立てたと思い嬉しかった。
- 新型コロナウイルス感染症の影響で思うように活動ができなかった。活動の内容や方法を考えることが難しかった。
- もっとたくさんの人やいろいろな年代の人に健康推進員の経験をしてもらうと良いと思った。
自分自身が取り組めそうだと思ったこと(多く聞かれた意見)
- 食べるものの内容やバランスを見直したり、早歩きなどの軽い運動をしたりしながら、認知症を予防する。
- 友人や地域の人との交流などを通して気に留め合ったり、ストレスを溜めないようにしたりする。
- お口のマッサージなどのケアをする。
- 今日学んだことを、家族や地域の人に話したり資料を回覧したりして知らせる。