コンテンツの本文へ移動する
南魚沼市
ふりがなをつける 読み上げる
文字サイズ
閉じる
小さく 標準 大きく
背景色
ホーム市長の部屋市長日記「無罣礙(むーけーげー)」令和4年度「むーけーげー(無罣礙)」 令和5年3月1日

「むーけーげー(無罣礙)」 令和5年3月1日

掲載日:令和5年3月1日更新

両国国技館の光景

今年1月末に元横綱白鵬さんの引退断髪式・親方襲名の大イベントに招かれました。
私の役目は、断髪式前の宮城野部屋力士によるトーナメント戦優勝者へのプレゼンテーター。表彰式で、「新潟県南魚沼市長から、南魚沼のおいしい地酒が授与されます」のアナウンスで土俵上に。
収容1万2千人、満員御礼の国技館。緊張で足が震えましたが、市代表の思いで踏ん張りました。
ご縁となった「白鵬米」を作る市内若手農業者の佐藤さんからは「南魚沼産コシヒカリ一俵」を米俵で。
重そうに持ちあげた私たちから、優勝力士が軽々と受け取ると、会場から温かい笑い声と大きな拍手が。
まさに和気満堂でした。

直後に、ミュージシャンのGACKTさんが国歌を独唱。
続く断髪式には、240人を超える各界の著名人がはさみを入れられましたが、男性ばかり。
唯一の女性が、白鵬さんのお母さんでした。土俵の隅まで歩み寄った我が子をいとおしむように、しきたりで土俵の下から。
大銀杏を師匠の現親方が切り落とすと、ご家族から花束が。ご長男以外の奥様と3人の娘さんはやはり土俵の下からで、厳格な伝統を見る思いでした。

圧巻は三女真結羽ちゃん(昨秋、収穫祭で白鵬さんと当市にも)の父へのあいさつでした。
しきたりで、娘といえどもお父さんのまげに触れられなかった。「でも、お父さまはたくさん私の頭をなでなでしてくれました。なので今度は私がお父さまの頭をいっぱいなでなでしてあげます」と。
お手紙を一切見ずに滔とう々とうと語り、最後にこの小さな女の子は満員のお客さまに向かって「大勢の皆さま、お父さまの断髪式におこしいただいてありがとうございました」と締めくくった。
あまりに立派な姿に、感動で静まり返った会場から、やがてこの日一番の万雷の拍手が。

長い日本出身横綱の不在、震災やコロナ禍などさまざまな世情不安、その中で揺れる角界を守り通した大横綱の有終の美。
そこに同席し、南魚沼の名前を記せたことは望ぼう外がいの喜びでした。

カテゴリー