掲載日:令和7年11月1日更新
看板を掲げる
市長として9年。振り返ると大きな課題に立ち向かうため、時に「看板」を掲げてきました。最初は令和2年の「医療対策推進本部」で、大きな欅の板に墨書きしたものを。このままでは地域の医療体制が立ち行かなくなる、という危機感から組織を新設し全力で対策に乗り出す姿勢も示すものでした。このコラムでも紹介してきましたが、今は外山千也病院事業管理者、兼市民病院院長(当時は特命副市長)の指揮の下、改革の苦しみを乗り越えつつ、当時は考えられなかった改善が進んでいます。管理者が先月号、今月号の『病院だより』、その巻頭言に連載で寄せたように、ついに新しい体制と将来像を示せるところまで。もしあの時、看板を掲げることなく逡巡していたら南魚沼の医療体制は瓦解していたかもしれないと私は思うのです。
市は、それに続く看板を先月市長室入口に掲げました。「次世代交通推進本部」と「観光戦略推進本部」の二つです。どちらも本部長には市長が就き、現場の旗振り役を今春から着任した小髙直弘特命副市長が担います。不退転の覚悟で取組を開始しました。
市議選がおわり、今月から新たな市議会がスタートします。現職6人が勇退され、定数22人中、新人6人、元職2人が当選されました。新人、ベテランを問わず、あふれる思いと情熱で議場に入られることと思います。16年前、胸に議員バッヂを着け入場した時の緊張と感慨は今も忘れられません。
今は市長。立場は変わりましたが、「このことだけは」と矜持としていることがあります。それは、どうしてもこれに取り組まなければならない、と信じる時は批判を受け矢面に立とうとも敢然と立ち向かう。市民に耳が痛いことも正直に語るが、同時に展望も語ること。勇気が要りますが、そこが試され所であるはず。新人市議のみなさんには、大いに思いを掲げ新風を送ってもらいたい。旗幟鮮明であれ。私とは時にライバルの様でもありますが、共に市を前進させようとする同志。心からご活躍を期待します。
