○南魚沼市消防本部救急業務実施規程
平成18年3月27日
訓令第28号
(目的)
第1条 この訓令は、本市の行う救急業務について必要な事項を定めることにより、救急業務の適正な運営を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 救急業務 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第2条第9項に定める業務をいう。
(2) 救急事故 法第2条第9項及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)第42条に定める救急業務の対象となる事故及び疾病等で、別表第1に掲げるものをいう。
(3) 救急自動車 道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に定める緊急自動車の基準に適合し、かつ、救急業務を行うために必要な構造及び設備を有し、並びに資器材を備えた自動車をいう。
(4) 救急救命士 救急救命士法(平成3年法律第36号。以下「救命士法」という。)第2条第2項に規定する者をいう。
(5) 救急救命処置 救命士法第2条第1項に規定する緊急に必要な処置をいう。
(6) 応急処置 救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「処置基準」という。)第6条に規定する処置をいう。
(救急隊の編成)
第3条 救急隊は、救急自動車1台に救急隊長(以下「隊長」という。)及び救急隊員(以下「隊員」という。)2人以上をもって編成し、南魚沼市消防署、南魚沼市湯沢消防署及び南魚沼市消防署大和分署に配置する。ただし、必要があるときは、南魚沼市消防本部救急業務実施要綱(平成18年南魚沼市訓令第29号。以下「要綱」という。)で定める消防隊等により救急隊の支援活動を行うものとする。
2 救急隊は救急救命士及び処置基準に規定する救急隊員をもって編成し、隊長は上席者がその任に当たる。
3 政令第44条第1項ただし書の規定に基づく場合は、隊長及び隊員1人をもって救急隊を編成することができる。
(平19訓令45・一部改正)
(救急隊員の責務)
第4条 隊長は、上司の命を受け、隊員を指揮監督し、救急業務を円滑に行うよう努めなければならない。
2 隊員は、隊長を補佐し、適正な救急業務を行うよう努めなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、救急隊員の責務に関し必要な事項は、要綱で定める。
(救急隊員の服装)
第5条 救急隊員は、救急業務を実施する場合は、消防吏員服制準則(昭和42年消防庁告示第1号)に定める基準に従った救急帽及び救急服を着用するものとする。ただし、これにより難い場合は、要綱で定めるところによる。
(救急隊の出動区域)
第6条 救急隊の出動区域は、要綱で定める区域とする。ただし、消防長が特に必要があると認めるときは、この限りでない。
(出動指令等)
第7条 署長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき、又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該救急事故の発生場所、種別、傷病者の数及び傷病の程度等を聴取し、直ちに所要の救急隊を出動させなければならない。
(安全管理)
第8条 隊長は、救急活動の特性に応じた安全管理体制を早期に確立するとともに、隊員を指揮して傷病者及び協力者の安全保持に努めるものとする。
2 隊員は、安全確保の基本が自己にあることを認識し、救急活動における安全監視、危険要因の排除及び行動規制等に配慮して危害防止に努めるものとする。
(口頭指導)
第9条 署長は、救急要請時に、通信指令室又は現場出場途上の救急自動車から、救急現場付近にある者に、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めるものとする。
(観察の実施)
第10条 観察は、傷病者の周囲の状況、救急事故の形態及び傷病者の状態を把握し、応急処置の判断に資するために行うものとする。
2 前項の観察は、処置基準第5条の規定に基づき行うものとする。
(応急処置の実施)
第11条 応急処置は、傷病者を医療機関に引き継ぎ、又は医師が救急現場に到着するまでの間に傷病者の状態その他の条件から応急処置を実施しなければ当該傷病者の生命が危険であり、又はその症状が悪化するおそれがあると認められる場合に行うものとする。
(医師の要請)
第12条 隊長は、傷病者が次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場へ医師を要請し、必要な処置を講ずるよう努めるものとする。
(1) 傷病者の状態からみて搬送することが生命に危険であると認められるとき。
(2) 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難なとき。
(3) 傷病者の救助に長時間を要する等、現場判断で医療が必要であると認めるとき。
(医師の同乗要請)
第13条 隊長は、傷病者の状態から医師の同乗が必要であると認める場合は、救急自動車に医師の同乗を要請するものとする。
(医療機関の選定)
第14条 隊長は、傷病者の搬送先医療機関の選定に当たっては、次に掲げるところによるものとする。
(1) 救急現場から最も近く、当該傷病者の症状に適応した医療が速やかに施し得る医療機関から優先して選定するものとする。
(2) 傷病者又はその家族等から管轄区内の医療機関及び県立小出病院へ搬送することを依頼されたときは、依頼された医療機関から優先して選定するものとする。
(3) 傷病者又はその家族等から管轄区域外の特定の医療機関へ搬送することを依頼されたときは、原則として主治医の所見、傷病者の症状及び緊急性を判断し、管轄区内の医療機関及び県立小出病院へ搬送するものとする。ただし、署長が救急業務上特に支障がないと認める場合は、依頼された医療機関に搬送することができるものとする。
(4) 休日等の場合は、休日診療所及び当番医療機関から優先して選定するものとする。ただし、傷病者の重症度、緊急度が高いと判断される場合は、第1号の規定によるものとする。
(平19訓令45・一部改正)
(収容の優先)
第15条 傷病者が複数の場合は、隊長の判断により緊急度が高い傷病者から優先して搬送するものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第16条 隊長は、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする。
(傷病者の搬送制限)
第17条 隊長は、傷病者が次の各号のいずれかに該当する場合は、これを搬送しないものとする。ただし、署長が必要があると認め、搬送を指示した場合は、この限りでない。
(1) 傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると診断した場合
(2) 傷病者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症、二類感染症、指定感染症若しくは新感染症の所見がある者又はその無症状病原体保有者(以下「感染症患者等」という。)であると医師が認めた場合
(3) 他に傷病がないと判断されるめいてい者(急性アルコール中毒を除く。)について、警察官又は関係者に保護を依頼する場合
(感染症患者等と疑われる者の取扱い)
第18条 隊長は、感染症患者等と疑われる傷病者を取り扱ったときは、隊員や救急自動車等について直ちに所定の消毒を行い、その旨を署長に報告するとともに、当該患者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。
2 署長は、前項の場合において、医師の診断結果により、取り扱った傷病者が感染症患者等であることが判明したときは、速やかに消防長に報告するものとする。
(感染防止対策)
第19条 隊員は、救急業務の実施に際して、感染症患者等若しくはウイルス性感染症患者等又はこれらと疑われる傷病者からの感染を防止するため、要綱で定める消毒等の必要な対策をとるものとする。
(転院搬送)
第20条 転院搬送は、医師からの要請により搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。
2 転院搬送を行うときは、傷病者を診察している医療機関の医師又は看護師(以下「医師等」という。)の同乗を求めなければならない。
3 前項の規定にかかわらず、傷病者に必要な医療処置を施し、かつ、症状が安定していると認められる場合で、主治医が医師等の同乗による管理の必要がないと認めたときは、医師等の同乗を要しないものとする。この場合においては、当該主治医から搬送途上における当該傷病者に対する必要な処置について指示を受けるものとする。
(関係者の同乗)
第21条 隊長は、必要があると認める場合は、保護者等の関係者を同乗させることができる。
2 隊長は、傷病者の関係者又は警察官から同乗を求められたときは、努めてこれに応ずるものとする。
(医療機関への引継ぎ)
第22条 隊長は、傷病者を医療機関へ引き継ぐときは、救急隊到着時の観察状況、隊員の行った応急処置及びその経過その他必要な事項を医師に告げるとともに、帰署する場合は、その旨を当該医師等に連絡するものとする。
(活動記録及び報告)
第23条 隊長は、救急活動を終えたときは、救急活動報告書により署長に報告しなければならない。
2 隊長は、傷病者を医療機関へ引き渡した場合、傷病者連絡票に必要事項を記載し、傷病名、傷病程度等について当該医師の診断結果を確認するものとする。
3 隊長又は救急救命士は、南魚沼メディカルコントロール協議会事後検証実施要領に定める症例を医療機関に搬送した場合は、プレホスピタルレコードにより消防長に報告するとともに、同実施要領に基づき検証票を搬送医療機関に提出するものとする。
4 救急救命士は、医師による具体的指示又は包括的指示により救急救命処置を実施したときは、救急救命処置記録を作成し、消防長に報告するものとする。
(平19訓令45・一部改正)
(所持品の取扱い)
第24条 隊長は、傷病者の救護に当たり、当該傷病者が自己の所持品を自ら管理できない状態にあるときは、次に定めるところにより取り扱うものとする。
(1) 搬送に際しては、遺留品の有無を確認すること。
(2) 身元確認のため、所持品を調査する必要があると認められるときは、警察官に依頼するか、医師その他第三者の立会いの下に行うこと。
(3) 貴重品の取扱いは、特に慎重を期し、やむを得ない場合に限り保管するほかは、おおむね次に掲げる者に、次に掲げる順位に従って保管を依頼するものとする。
ア 保護者
イ 警察官
ウ 医師又は看護師
エ その他適当と認められる者
(災害救助法における救助との関係)
第25条 救急業務は、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用される場合においては、同法の規定に基づく救助に協力する関係において実施するものとする。
(集団救急事故)
第26条 集団救急事故の救急業務については、別に定める集団救急事故救護計画により行うものとする。
(応援の出動)
第27条 消防長は、救急業務に関し消防組織法(昭和22年法律第226号)に基づく消防相互応援協定が締結されている場合は、当該協定の定めるところにより応援の出動又は要請をすることができる。
2 消防長は、緊急消防援助隊新潟県隊の応援等実施計画書に基づき、消防本部に消防庁長官又は新潟県知事から出動の求め又は指示があった場合は、救急隊の出動を命じることができるものとする。
(平19訓令45・一部改正)
(関越自動車道における救急活動)
第28条 関越自動車道上において発生した救急事故については、前条の消防相互応援協定により活動するものとし、これに係る救急隊の出動区域は、要綱で定めるものとする。
2 関越自動車道における救急活動は、消防隊等、警察官及び道路関係者による通行禁止又は交通整理が行われ、安全が確保された上で行うものとする。
(警察官との連携)
第29条 隊長は、犯罪の疑いのある事故又は交通事故等において、現場の状況から判断して必要があると認められる場合は、警察官の協力を求めて当該救急業務を行うとともに、警察官が現場にいないときは、業務に支障のない範囲で現場保存の処置をとり、所轄警察署長に連絡するものとする。
(要保護者等の取扱い)
第30条 消防長は、生活保護法(昭和25年法律第144号)又は行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)に定める被保護者又は要保護者と認められる傷病者を搬送した場合は、速やかに救急事故が発生した場所を管轄する市町村長に、その旨を通知するものとする。
(家族への連絡)
第31条 隊長は、傷病者の状況により必要があると認めるときは、当該傷病者の家族又は関係者に対して傷病の程度、状況、搬送医療機関等を連絡するよう努めるものとする。
(医療機関等との連絡)
第32条 消防長は、救急業務が円滑に遂行できるよう、医療機関及び救急業務に関係のある機関と常に密接な連絡をとっておくものとする。
(救急救命士と医療機関)
第33条 救急救命士は、救急救命処置の実施に関し、救命士法第44条の規定に基づき具体的指示を行う医師又は医療機関と常に密接な連絡を取っておくものとする。
(救急自動車の標示)
第34条 救急自動車の側面には、「南魚沼市消防本部」と標示するものとする。
(救急自動車に備える資器材)
第35条 救急自動車には、次に掲げる資器材を備えるものとする。
(1) 応急処置に必要な資器材で別表第2に掲げるもの
(2) 通信、救出等に必要な資器材で別表第3に掲げるもの
2 消防長は、前項に定めるもののほか、救急自動車に別表第4に掲げる資器材を備えるよう努めるものとする。
3 隊員は、救急用資器材について常に保守点検を行うとともに、適正な管理に努めるものとする。
(消毒)
第36条 消防長は、次に定めるところにより救急自動車及び積載資器材の消毒を行うものとする。
(1) 定期消毒 月1回以上
(2) 使用後消毒 毎使用後
2 第18条第1項第19条及び前項に規定する消毒を実施したときは、要綱で定める消毒実施表に記録しなければならない。
(廃棄物の処理)
第37条 救急活動により生じた血液等が付着した廃棄物は、要綱で定めるところにより適正に処理しなければならない。
(隊員の訓練)
第38条 署長は、隊員に対し、救急業務を行う上で必要な知識及び技能の向上を図るため、教育訓練実施計画を作成し、教育及び訓練を実施しなければならない。
(住民等に対する普及啓発)
第39条 消防長は、住民等に対する応急手当の普及啓発活動を効果的に推進するよう努めるものとする。
(講習の実施)
第40条 応急手当の普及啓発活動のため、次に掲げる講習を実施するものとする。
(1) 応急手当講習
(2) 救命講習(普通救命講習、上級救命講習)
(3) 応急手当指導員講習
(4) 応急手当普及員講習
(その他)
第41条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この訓令は、平成18年4月1日から施行する。
(南魚沼地域広域連合の解散に伴う経過措置)
2 この訓令の施行の日の前日までに、解散前の南魚沼地域広域連合救急業務実施規程(平成16年南魚沼地域広域連合規程第13号。以下「解散前の規程」という。)の規定によりなされた処置、手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされた処置、手続その他の行為とみなす。
附 則(平成19年6月29日訓令第45号)
この訓令は、平成19年7月1日から施行する。

別表第1(第2条関係)
種別
対象事項
火災事故
火災現場において直接火災に起因して生じた事故(火災現場における事故のみを対象として、火災現場に急行するとき及び火災終了後に生じた事故は含まない。)
自然災害事故
暴風、豪雨、豪雪、洪水、地震、噴火、雪崩、地滑りその他異常な自然現象に起因する災害による事故(自然災害に起因する交通機関の事故は含まない。)
水難事故
水泳中(運動競技によるものを除く。)の溺者又は水中転落等による事故
交通事故
すべての交通機関相互の衝突及び接触並びに単一事故並びに歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故(駅舎内、ホーム及び車内の混乱による傷病者は含まない。)
労働災害事故
各工場、事業所、作業所、工事現場等における就業中に発生した事故(通行人又は見学者に発生したものは含まない。)
運動競技事故
運動競技(組織的な運動競技及び練習中を含む。)の実施中に発生した事故で、直接運動競技をしている者及び審判員、関係者等に係るもの(観覧中の者が直接に運動競技用具等によって負傷した場合を含み、競技場内の混乱による事故等は含まない。)
一般負傷
他に分類されていない不慮の事故(労働災害及び自損行為以外のガス類による中毒事故及び異物による気道閉塞事故を含む。)
加害
故意に他人により傷病等を加えられた事故(犯罪と明らかでないものを含む。)
自損行為
故意に自分自身に傷害等を加えた事故
急病
疾病によるもので救急業務として行ったもの
その他
ア 転院搬送
医師の依頼により、医療機関等から他の医療機関等へ傷病者を搬送したもの
イ 医師搬送
救急現場及び傷病者の状態により、緊急に医師を当該現場に搬送したもの
ウ 資器材搬送
傷病者の救急処置に必要な血液、医療品、酸素ボンベ、医療器具等を緊急に輸送したもの

別表第2(第35条関係)
分類
品名
観察用資器材
体温計、検眼ライト
呼吸・循環管理用資器材
自動式人工呼吸器一式、手動式人工呼吸器一式、心肺そ生用背板、酸素吸入器一式、吸引器一式
創傷等保護用資器材
副子、三角きん、包帯、ばんそうこう、止血帯、タオル
保温・搬送用資器材
担架、まくら、敷物、保温用毛布、雨おおい
消毒用資器材
噴霧消毒器、その他の消毒器、各種消毒薬
その他の資器材
氷のう・水枕、臍さい帯クリップ、はさみ、ピンセット、手袋、マスク、膿のう盆、汚物入、手洗器、洗眼器
その他必要と認められる資器材
備考
自動式人工呼吸器一式には、自動式人工呼吸器、開口器、舌鉗かん子、舌圧子、エアウェイ、バイトブロック、酸素吸入用鼻孔カテーテル及び酸素ボンベを含むものとし、手動式人工呼吸器一式及び酸素吸入器一式に含まれる資器材と重複するものは、共用できるものとする。

別表第3(第35条関係)
分類
品名
通信用資器材
無線装置
救出用資器材
万能おの
その他の資器材
保安帽
警笛
懐中電灯
その他必要と認められる資器材

別表第4(第35条関係)
分類
品名
観察用資器材
血圧計
聴診器
血中酸素飽和度測定器
心電計
呼吸・循環管理用資器材
経鼻エアウェイ
こう頭鏡
マギール鉗かん
ショック・パンツ
自動式心マッサージ器
自動体外式除細動器
輸液・薬液セット一式
食道閉鎖式エアウェイ
気管内挿管セット一式
通信用資器材
心電図電送装置
自動車電話
その他の資器材
在宅療法継続用資器材
その他必要と認められる資器材
備考 自動式心マッサージ器及び心電図電送装置は、地域の実情に応じて備えるものとする。