越後上布の雪ざらし

掲載日:平成30年1月4日更新

春の風物詩 越後上布の雪ざらし

朝のあかあかと昇て、玉屑平上に列たる水晶白布に紅英したる景色、ものにたとへがたし。
かかる光景は、雪にまれなる暖国の風雅人に見せたくぞおもはるる。
【『北越雪譜』 巻之中 縮(ちぢみ)を曬(さら)す】

雪ざらしをする様子

雪ざらしは、国の重要無形文化財「小千谷縮・越後上布」の指定要件の一つで、越後上布を製作する上で欠かせない重要な工程です。

冬の間に織り上げられた越後上布は、仕上げの工程にまわされます。

仕上げの工程では、製作過程でついてしまった汚れやシミ、糸を扱いやすくするためにつけた糊など落としながら、布を柔らかくし、布目を詰まらせる「足ぶみ」という工程が行われます。

その後、さらに白くする製品はよく晴れた日中、まっさらで平らな雪の上に広げます。この工程のことを「雪ざらし」といいます。雪ざらしは、太陽の熱によって雪が溶けて水蒸気になるときに、殺菌・漂白作用のある「オゾン」が発生し、これが布目をとおるときに化学反応が起きて繊維が漂白されるという効果を利用したもので、汚れやシミなどを落とし漂白し、柄をより鮮明に浮き立たせるために行われます。色や柄にもよりますが、1反の布を雪ざらしする期間は3日~10日程度です。

この雪ざらしは3月ころに行われる工程のため、古くから南魚沼地域のの春の風物詩とされてきました。

越後上布の里帰り

(写真)雪にさらされた上布

製品として人の手に渡った越後上布が、再びこの地に戻ってくることがあります。長年着用してしみついた汚れを、雪ざらしできれいにするためです。
これを、昔のひとびとは愛情をこめて「越後上布の里帰り」と呼びました。

長年着てしみついた汗ジミや、うっかり付けてしまったしょうゆジミも、雪ざらしをすることで不思議なくらいきれいに落ちます。
雪ざらしは、絹織物にはできない、麻織物ならではの天然のお洗濯なのです。

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