「むーけーげー(無罣礙)」 平成30年8月1日

掲載日:平成30年8月1日更新

「古い鎌」にこめられた思い

姉妹都市オーストリア共和国チロル州セルデン町。初めて訪れた35年前は、山岳スキーリゾートながらまだ牧歌(ぼっか)的で質朴な村でした。

現在はオーストリアで最多の集客数を誇り、アルペンスキー・ワールドカップの第一戦が毎年行われる一大リゾートに。「なぜこれほどに発展が持続しているのか」同じ思いを持つ田村正幸湯沢町長と連れだって出かけました。

驚きをもって変貌を実感。持続発展のカギは、法律(チロル州観光法)と税制度(滞在税の賦課(ふか)徴収)。財源をさらに発展に向ける好循環。アルプスの町に複数の高級なプールなどを建設。マウンテンバイクやクライミングウォールなどのスポーツ施設を充実させるなど、夏季観光を徹底。

うらやましいのは、諸施設の住民利用率と産業への住民参加率の高さ。観光施設は観光客のためだけでなく、住民の暮らしと質を高めるものでなくてはならない。他国資本の進出の脅威にもさらされている中で、地域を守る努力にも感銘しました。何よりも前向きで明るく、強烈な愛郷心がある住民にも。

16歳、第一回の交流派遣に参加。旧塩沢町との姉妹都市盟約後、当時の我田大作(だいさく)町長も初の公式訪問でした。

歓迎会の席での、サンタ町長(当時)の言葉が今も忘れられません。「岩山につながる牧草地の緑。すばらしい景観ですね」我田町長の言葉に「そうではなく、貧しさの証(あかし)です」と答えられた。森林限界の町なのだと。そして、使いこまれた大ぶりの古い鎌を贈られました。出稼ぎの町、食えない寒村だったお互いの共通点。そこに雪や山岳を利用しまちづくりが始まった。「同じだよ。がんばろう」その思いをこの鎌で表したのだろうと少年の私でさえ感じました。

観光とは歴史と独自性、誇りある個性を売ることに他ならない。物まねはできないが、私たちの地域をここに近づけるにはどうしたらよいか。今は途切れてしまっているが、できれば子どもたちの派遣を再開させ、あの日の私と同じように、何事かを感じてもらいたいと切に思う旅となりました。

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