掲載日:令和元年6月7日更新
原麻の試験栽培事業
重要無形文化財・ユネスコ無形文化遺産となっている「小千谷縮・越後上布」。
布・糸の原料は、「苧麻(ちょま)」という植物です。別名では、「カラムシ」とも呼ばれます。
越後上布小千谷縮布技術保存協会では、越後上布の技術保存・伝承のために、苧麻の実験栽培をしています。ここで栽培した苧麻は、鈴木牧之記念館で行う体験事業や技術伝承者養成事業などの活動に活用しています。
栃窪苧麻畑の焼畑・ネット張り作業(令和元年6月4日)
令和元年6月4日に、栃窪小学校の児童のみなさんと苧麻畑の焼畑・ネット張り作業を実施しました。
この作業は、毎年5~6月に実施している作業で、夏により良質な苧麻を収穫するために欠かせないものです。
今回の作業では、はじめに畑の草刈りをし、伸びていた雑草や苧麻の新芽を刈り取りました。
そのあと、畑一面に乾燥したカヤを均一に敷き、そこに火をつけ、苧麻の新芽を焼き払いました。
こうすることで、春からバラバラに伸び始めていた新芽を均一にし、成長をそろえることができます。またカヤを焼いた灰は土壌をアルカリ性にし、苧麻の成長に適した状態にあるだけでなく、成長していくときの栄養となります。
カヤがすべて燃えた後は、水をまいて火を完全に消しました。その後、肥料をまき、杭を打ち風よけのネットを張って、作業完了となりました。
日差しが強く暑い日でしたが、栃窪小学校のみなさんは一生懸命作業をしていました。
作業が始まる前に、越後上布技術保存協会のみなさんから参加者に作業内容の説明がありました。
まずは、雑草やバラバラに伸びた苧麻の新芽を刈り取っていきます。
雑草や中途半端に成長した苧麻の新芽を刈り取ったところに、次は乾燥させたカヤを敷いていきます。
畑全体に敷いたカヤに火をつけ、焼き払っていきます。
今回は風がやや強く吹いていたため、風下側から火をつけました。そうすることで、カヤの表面だけでなく中までじっくり焼くことができます。
畑全体に敷いたカヤが焼け、火が小さくなったら水をかけて消火します。小学生のみなさんも、水が入った重いジョウロを持って、一生懸命消火してくれました。
火が完全に消えたら、次は肥料を畑全体にまいていきます。
ネットを張るための杭を立てていきます。小学生のみなさんも、分担して作業を行っていました。
ネットを杭にひっかけて、ぐるりと畑を囲んでいきます。
苧麻は背が高くなる植物なので、風が吹くとまっすぐ育ちません。そのため、このようにネットを張って風から苧麻を守り、まっすぐ上に伸びていくようにします。
栃窪苧麻畑のネット外し作業(平成30年10月19日)
平成30年10月19日に、栃窪小学校の児童のみなさんと栃窪集落にある苧麻畑のネット外し作業を行いました。
この作業は毎年10月に実施しているもので、夏に苧麻を収穫した畑の冬支度です。
作業内容は、風避けのために張ったネットを外し、ネットを支えていた支柱を抜いて片付けます。お手伝いをしてくれた小学生のみなさんは、5月に渾身の力を込めて打ち込んだ木杭を一生懸命抜き、丁寧に洗ってくれました。また、長くて大きいネットもきれいに畳んでくれました。
これで来年もこの道具を使って、苧麻の栽培ができそうです。
まずは、作業内容の説明を受けます。
入口のほうから順番にネットを外していきます。
ネットを支えていた杭を抜いていきます。低学年の児童の身長と同じくらいある杭も、全身の力を込めて抜いてくれました。
長くて大きいネットを丁寧に畳んでいきます。
抜いた杭は洗って、また来年も使います。
全部の杭を洗い終わったら、作業終了です。