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ホーム子育て・教育歴史・文化国指定史跡『坂戸城跡』平成28年度坂戸城跡石垣解体工事

平成28年度坂戸城跡石垣解体工事

掲載日:平成29年8月18日更新

修復工事に至る経緯

居館跡正面の石垣は、虎口(出入り口)を挟んで南北それぞれに築かれています。しかし、南側の石垣は幕末に魚野川の護岸工事を行った際、石材として取り外され転用されたため、大部分が壊れている状態です。

このような状況は今後、石垣のさらなる崩落や破損などの恐れがあることから、後世まで遺跡を保存していくために修復を行うこととし、平成28年に石垣の解体を行いました。翌29年から石垣の積み直し作業を行い、平成31年に完了予定です。

修復前南石垣

修復前南石垣

石垣修復の手順

解体修復方法の検討

発掘調査などから得られたデータをもとに、専門家から構成される「坂戸城跡保存整備委員会」で石垣の修復範囲や解体方法を検討し、基本設計と実施設計を作成します。坂戸城跡の石垣は自然石を積み上げる「野面積み」です。また、石垣が残っていない部分が多いため、大部分が復元となります。そのため、野面積みに長けた関西の職人から工事に加わっていただきました。

石垣修理範囲

破線より上の石を解体します。

南石垣修理概念図

青い石(実線)は残存石材を積み直すもの、赤(破線)・オレンジ(点線)の石は新たに補充する石です。

実施設計断面図

崩れた築石や裏込石を取り外し、裏込石の範囲や築石の積み方などを記録します。それらのデータをもとに積み直し作業の設計図を作成します。

石垣清掃

表面に付着した砂や苔を除去するため、高圧洗浄機で石垣の表面を清掃します。

石垣清掃

番号付け

石材にガムテープを張り、番号を記入します。解体する石、解体しない石、ヒビがあるため接着が必要な石に分けてガムテープの色を変えてあります。

番号付

墨打ち

石を積み直すときの目安とするために、墨で50センチメートル間隔の方眼を書き入れます。

墨打ち

石の選別

南石垣の石は幕末ごろに魚野川の護岸に使うために抜かれたといわれています。その後、近年の魚野川の河川改修工事の際にご協力いただき、石垣から持っていったと思われる転用石を回収しました。これらの転用石の中から石垣の積み直しに使える石を選別し、1点1点計測や写真撮影します。

石材調査

解体作業

南石垣は多くの石が抜かれため、その背後にあった裏込石(栗石)も崩れ、背後の盛土と混ざった状態となっていました。この部分について石を積み直す作業ができる最小限の範囲を掘削します。

掘削状況

抜根状況

同時に石垣の斜面に生えていた杉の木の抜根を行います。

解体状況

その後、取り外す必要がある石は重機で吊り下げて解体します。

石材記録

その際に石同士がどこに接していたかを記録に取りながら解体します。

裏込石

築石が残っている部分については、裏込石も良好に残っていました。裏込石の多くはこぶし大の大きさですが、奥側の盛土に近いところには人頭大の石もありました。

積み上げ作業の検討

解体中に得られた知見をもとに坂戸城跡整備委員会で石の積み直しをどのように行うか検討し、積み上げに必要な設計図を作成します。

石垣の積み直し作業は、平成29年春から行う予定です。

南石垣解体後

地図情報

地図(googlemapsページ)を見る

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