掲載日:令和7年4月1日更新
地下水採取の規制
南魚沼市では、地下水の採取に際し、次の規制を市内全域に対して設けています。
- 井戸の設置に対する許可申請制度
- 揚水設備施工業者の登録制度
このため、市内で井戸を設置しようとする者は、事前に市長の許可を受けなければならないこと、また、井戸の施工は市に登録した業者でなければできないこととなっています。(入札を伴う公共工事を除く)
無許可で井戸を設置すると条例により罰せられます。
規制区域の区分
市内は次の2つの規制区域に分けられています。
- 重点区域
- その他区域
各区域により、設置できる井戸の基準が異なります。
下記の規制区域図でご確認ください。
重点区域とは
下記の範囲が重点区域です。
- 魚野川の左岸の区域であって、鎌倉沢川および北沢川の左岸並びに近尾川の右岸の区域のうち、関越自動車道を北進して県道余川塩沢停車場線との交点に至り、これを北進して主要地方道十日町六日町線に至り、これを西進して国道253号に至り、これを東進して近尾川に至る範囲
- 近尾川の左岸の区域であって、国道253号を東進して国道17号との交点から市道牛蒡島大清水線を東進して上越線に至り、これを南進して工業団地からの排水路の交点に至り、この排水路を下流に進み近尾川に合流する範囲
南魚沼市の地盤沈下は、消雪用地下水の大量くみ上げが原因による粘土層の収縮で起きています。
六日町駅の西側を中心とする六日町市街地は粘土層が多いと言われており、沈下が顕著にみられます。また、これらの地域は住宅や事業所・店舗などが密集しており、消雪用地下水の使用量が多いことも影響しています。
そこで、地盤沈下が顕著である六日町市街地およびその周辺を重点区域としています。
その他区域とは
重点区域を除くすべての市内の範囲です。地盤沈下の被害がない、または比較的少ない地域で、重点区域を除く市内すべての範囲をその他区域としています。
許可基準(新規設置の場合)
「重点区域」、「その他区域」の許可基準は、それぞれ次のとおりです。
重点区域
項目 | 住宅消雪用井戸 | 事業所消雪用井戸 | 産業用井戸 |
---|---|---|---|
井戸の設置本数 | 1住宅用地につき1本 | 1事業所用地につき1本 | 1住宅用地または1事業所用地につき1本 |
ポンプ吐出口径 | 直径32ミリメートル以下 | 直径50ミリメートル以下 | 直径50ミリメートル以下 |
取水位置 | 地表面から60メートル以上深い位置から取水 | 地表面から60メートル以上深い位置から取水 | 地表面から60メートル以上深い位置から取水 |
井戸口径 | 直径150ミリメートル以下 | 直径200ミリメートル以下 | 直径200ミリメートル以下 |
節水対策 | 間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること | 間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること | 規制なし |
その他区域
項目 | 住宅消雪用井戸 | 事業所消雪用井戸 | 産業用井戸 |
---|---|---|---|
井戸の設置本数 | 1住宅用地につき1本 | 1事業所用地につき1本 | 1住宅用地または1事業所用地につき1本 |
ポンプ吐出口径 | 直径50ミリメートル以下 | 直径50ミリメートル以下 | 直径50ミリメートル以下 |
取水位置 | 規制なし | 規制なし | 規制なし |
井戸口径 | 直径200ミリメートル以下 | 直径200ミリメートル以下 | 直径200ミリメートル以下 |
節水対策 | 間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること | 間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること | 規制なし |
井戸の定義
「消雪用井戸」とは、消雪に用いる井戸をいいます。「産業用井戸」とは、消雪用井戸以外の井戸をいいます。
留意事項
「その他区域」と「産業用」の井戸については、市長が特に必要と認めた場合に限り、上限基準を超える場合でも許可することができます。ただし、重点区域内の産業用井戸ポンプの吐出口径は、直径100ミリメートルが上限です。
消雪用井戸の許可水量算出方法の基準
対象用地 | 対象 | 規制区域 | 必要散水量の算定式(リットル毎分) |
---|---|---|---|
住宅用地 | 建築物 | 重点区域 |
|
住宅用地 | 建築物 | その他区域 |
|
住宅用地 | 乗入れ通路等 | 重点区域、その他区域 | 敷地面積に0.45を乗じる |
事業所用地 | 建築物 | 重点区域、その他区域 |
|
事業所用地 | 事業所用地内の建物を除く範囲と駐車場 | 重点区域、その他区域 |
敷地面積に0.8を乗じさらに0.45を乗じる |
注意:建築面積とは、柱(壁)それぞれの中心を線で結んだ範囲の面積をいいます
水平投影面積とは、航空写真などで上空から見た時の建物の面積をいいます。
乗入れ通路等は、主に公道などの接続部から建築物までにあかみちなどの通路を通る場合となりますが、建物の立地条件などにより消雪面積に加算できる場合があります。
許可水量に対するポンプの吐出口径・井戸口径の基準
消雪面積から算出した許可水量に応じたポンプの吐出口径、井戸口径を選択します。
許可水量 |
ポンプの吐出口径 |
井戸口径 |
---|---|---|
20リットル/分まで |
直径25ミリメートル以下 |
直径150ミリメートル以下 |
20リットル/分を超え70リットル/分まで |
直径32ミリメートル以下 |
|
70リットル/分を超え120リットル/分まで |
直径40ミリメートル以下 |
直径200ミリメートル以下 |
120リットル/分を超え220リットル/分まで |
直径50ミリメートル以下 |
|
220リットル/分を超え370リットル/分まで |
直径65ミリメートル以下 |
|
370リットル/分を超え630リットル/分まで |
直径80ミリメートル以下 |
直径250ミリメートル以下 |
630リットル/分を超え970リットル/分まで |
直径100ミリメートル以下 |
|
970リットル/分を超え1,730リットル/分まで |
直径125ミリメートル以下 |
直径300ミリメートル以下 |
1,730リットル/分を超えるもの |
直径150ミリメートル以下 |
吐出口径・ケーシング口径の基準(別表第3) (PDF 40.1KB)
許可基準(消雪用既設井戸の掘替えとポンプ交換の特例)
- 以下の項目に該当する場合は、既設井戸のポンプの吐出口径と同口径以下で掘替えやポンプ交換の許可を受けることができます。(条例第10条第2項)
- 既設井戸よりポンプの吐出口径を大きくする場合や以下の項目に該当しない場合は、新規設置の例によりポンプの吐出口径等を選定します。
消雪用井戸の掘替
重点区域内の住宅用
- 井戸の設置本数:1住宅用地につき1本
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下。ただし、直径50ミリメートル以下
- 取水位置:地表面から60メートル以上深い位置から取水
- 井戸口径:条例別表第3に定める口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
その他区域の住宅用
- 井戸の設置本数:1住宅用地につき1本
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下
- 取水位置:規制なし
- 井戸口径:条例別表第3に定める口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
重点区域の事業所用
- 井戸の設置本数:事業所用地内の既設井戸の本数以下
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下。(複数の既設井戸を廃止して集約する場合は、条例別表第3の許可水量の合計に適合する吐出口径以下)
- 取水位置:地表面から60メートル以上深い位置から取水
- 井戸口径:条例別表第3に定める口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
その他区域の事業所用
- 井戸の設置本数:事業所用地内の既設井戸の本数以下
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下。(複数の既設井戸を廃止して集約する場合は、条例別表第3の許可水量の合計に適合する吐出口径以下)
- 取水位置:規制なし
- 井戸口径:条例別表第3に定める口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
消雪用井戸のポンプ交換
重点区域内の住宅用
- 井戸の設置本数:1住宅用地につき1本
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下。ただし、直径50ミリメートル以下
- 取水位置:地表面から60メートル以上深い位置から取水
- 井戸口径:既設井戸の口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
その他区域の住宅用
- 井戸の設置本数:1住宅用地につき1本
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下
- 取水位置:規制なし
- 井戸口径:既設井戸の口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
重点区域の事業所用
- 井戸の設置本数:事業所用地内の既設井戸の本数以下
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下
- 取水位置:地表面から60メートル以上深い位置から取水
- 井戸口径:既設井戸の口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
その他区域の事業所用
- 井戸の設置本数:事業所用地内の既設井戸の本数以下
- ポンプの吐出口径:既設井戸の吐出口径以下
- 取水位置:規制なし
- 井戸口径:既設井戸の口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
重点区域内の消雪用井戸で取水位置が地表面から60メートルより浅い場合または不明な場合
住宅用
- 井戸の設置本数:1住宅用地につき1本
- ポンプの吐出口径:条例別表第3に定める吐出口径以下。ただし、直径32ミリメートル以下
- 取水位置:既設井戸と同じ位置
- 井戸口径:既設井戸の口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
事業所用
- 井戸の設置本数:事業所用地内の既設井戸の本数以下
- ポンプの吐出口径:条例別表第3に定める吐出口径以下。ただし、直径50ミリメートル以下
- 取水位置:既設井戸と同じ位置
- 井戸口径:既設井戸の口径以下
- 節水対策:間欠運転機能付きの降雪検知器などが設置されていること
罰則規定
罰金 5万円~50万円
- 許可を受けないで工事をしたり、許可条件に合わない井戸を設置した場合などが処罰の対象となります。
- 条例に違反した場合は、施工業者だけでなく、申請者も処罰の対象となります。
令和4年7月1日に地下水条例の一部改正が施行されました
今回の一部改正で、井戸の掘替えやポンプ交換を行う場合に既設井戸と同規格の容認と許可水量に対するポンプの吐出口径とケーシング口径の基準の見直しを行いました。
一部改正の内容を踏まえた規制区域の区分、規制区域の範囲、井戸の許可基準、許可水量の算出方法などをお知らせします。
南魚沼市地下水の採取に関する条例(全文)
南魚沼市地下水の採取に関する条例(全文) (PDF 292KB)
南魚沼市地下水の採取に関する条例施行規則
南魚沼市地下水の採取に関する条例施行規則(本文) (PDF 192KB)
節水のお願い
市では、冬期間の地下水の節水対策として、次の取組みを実施します。過剰な散水や不要な散水に気を付けていただきますようご理解ご協力をお願いします。
1.地下水位低下警報、注意報の発令
市役所本庁舎の地下水位観測井戸の水位が継続して15メートル以上低下する恐れがある場合は「警報」、継続して10メートル以上低下する恐れがある場合は「注意報」という発令基準を設けています。エフエムラジオなどを通じて広報します。
2.地下水利用監視制度
市内全域を対象に地下水の利用状況について定期的にパトロールします。過剰または不要と思われる散水があった場合は、節水のお願いをすることととしています。
3.緊急時の地下水取水制限
特に六日町市街地では、地下水位が10メートル以上低下する日が連続すると地盤沈下が起こることが分かっています。降雪予報などを考慮し、継続して地下水位の低下が見込まれる場合は、緊急的に取水制限をお願いする場合があります。