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「能登×余市×南魚沼 シェフ'sトーク~雪国の食文化は世界に通用するのか~」が開催されました

令和5年6月14日に里山十帖で食のトークイベント「能登× 余市 × 南魚沼シェフ ’s トーク~雪国の食文化は世界に通用するのか~」が開催されました。地方の食文化を牽引する3人のシェフから雪国である南魚沼の食文化について熱いトークをしていただきました。また、余市町からは町長の齊藤 啓輔様がお越しいただき、余市町の市政についてもお話しいただきました。

集合写真.jfif

参加者からは一流シェフの食材へのこだわりや食文化への共感の声が寄せられるとともに、多くのアイデアやヒントを得ることができました。また、他地域のシェフからの視点を交えることで、自分の地域である南魚沼の雪国の食文化の魅力やポテンシャルを再確認していただく有意義な機会となりました。

登壇者

シェフ

能登町:池端 隼也シェフ(L'Atelier de NOTO)

余市町:村井 啓人シェフ(余市SAGRA)

南魚沼市:桑木野 恵子シェフ(里山十帖 早苗饗)

モデレーター

岩佐 十良(里山十帖 クリエイティブ・ディレクター)

当日の様子など

市長・町長の挨拶や参加者が回答したアンケート結果を抜粋しましたので下記からご確認ください。

南魚沼市長 林 茂男

本日は「能登×余市×南魚沼 シェフ’sトーク」ということで新しい取組が始まっている。会場の里山十帖 岩佐様やスタッフの皆様から多大なご協力をいただきありがとうございます。

私は今“雪国が変わろうとしている“と思っています。市長になったときに魚沼全体が一つになるのかと思っていましたが、首長が会って話すことはあまりありませんでした。

そこで最初に取り組もうと思ったのが車のナンバープレート。「雪国」という名前を付けるのは難しかったですが、国交省の認可が降りるところまでいきました。その際に、「雪国魚沼」が名前の候補になった途端に反対票が投じられました。地元の雪のイメージは「つらい」「ださい」などの悪いイメージが全世代で多かったのです。名前が付けられなかったこと以上に、雪というイメージの悪さが非常に残念でした。

我々の悪いイメージを変えなくてはということで様々取り組んできましたが、食も同様に見直されてきました。この食に関するイメージを変えてくれたのは、岩佐様をはじめとする雪国を発見していただいた多くの地域外の方々であります。その方々と一緒になって地元がどのように変化していくかを見せつけられています。

これほどの雪が降る中で滞りなく日常が行われているという世界的に稀有なところはなく、その中で培われた文化性は非常にポテンシャルがあります。この地域に訪れてくれた人が文化性を感じるのは「食」だと思っています。

最近は「雪冷熱」や「雪室」などは世界に発信ができるものになっています。脱炭素やSDGsという位置づけの中からも、世界に対して厄介者だった雪が手助けしている位置にあり、雪国は革命前夜にあるといえます。まさに今日のイベントが逆転の幕開けと思っています。

今日は余市の町長からもお越しいただき、今後もいろいろな展開が生まれていきます。

今日のイベントを心から楽しみにしていましたし、参加者の皆様からも楽しんでいただきたいと思います。ご参加いただく多くの皆様からお越しいただきありがとうございます。

余市町長 齊藤 啓輔

本日は貴重な機会をいただきありがとうございます。

私からは政策的な話と食文化の関連性についてお話ししたいと思います。

現在の日本の経済情勢は、エネルギー高に起因する食料品高、物価高で経済成長の芽が見つけられない状況ですが、同じような状況が1970年代の頃にもありました。当時は日本に力があったためオートメーション化と効率化への投資により再成長軌道に乗せていきました。それが今の日本にできるか考えてください。今後の人口の推移で言えば、現在から100年前の人口は5000万人、100年後の人口は5000万人ですが、大きな違いが高齢化率。高齢化率は100年前が5%、100年後が50%。このような中で1970年代の再成長モデルのように新しい産業に投資できるかというと、なかなか妙案が浮かばず苦しんでいます。

日本全国の1718名の自治体の長がきちんと成長産業の芽を見つけて、集中投資することによって面で地域を伸ばすことができます。なかなか成長産業の芽が見つけられない中ですが、足元を見たら「食」という素晴らしいポテンシャルがあります。まさに「食」が日本の成長産業の芽です。

ある一定の層にきちんとターゲティングしたマーケティング戦略をすることでこのエリアに来る人を十分に引き付けることができます。国境関係なく、コンテンツさえあれば来訪するので、そこに集中投資すれば、全世界から人を呼び寄せることができます。人口減少においても、地域の所得を上げる・地域を未来に残していくようなことができれば人口が減ったところで問題ないというのが私の政策のベースにある考え方です。

私はワインに特化した政策をしていますが、行政の観点からは「公平性を欠く」「なんでそこばっかり」と批判をすごく受けますが、批判を上回るメリットがあればやるというのが私のスタンスです。諸外国の例を一つ上げると、フランスのブルゴーニュのヴォーヌロマネという人口300人の村が、世界中から富を集積させています。それはロマネコンティという誰しもが入手したいワインを産出しているからです。どんなに人口が少なかったとしても、きちんと磨き上げられた宝があれば、そこに人や富は集まります。

今はニセコに世界中の富が集まっている状況ですが、雪は昔から降っているが、それに気づいたのは地域外のオーストラリアの方々で、それを発信したことで世界中から人が集まるようなことになりました。まさに同じようなことが起こるということで、林市長がおっしゃったとおり革命前夜の様相を呈していると思っています。

余市の「食」の話でいうと、余市のワインが世界のベストレストランのノーマンに選ばれています。フランスやイタリアでは自国で素晴らしいワインがあるため、極東の辺境の地のワインを見向きもしません。しかし違う切り口からいうと、「食」は世界につながる共通項であるといえます。春は山菜をとるなどの狩猟採集、冬はいぶしたり、発酵・塩漬けしたりなどの食文化のスタイルはフレンチやイタリアンと違うスタイルです。このような観点から余市町のワインは北欧の料理と非常に合うのでは?という切り口で、ベストレストランに入りました。つまり「食」のつながりで世界とつながり、あらゆる縁ができる一つの例です。

本日は3人のシェフのトークを非常に楽しみにしていますし、北方の食文化を中心に仲良くしていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

参加者のアンケート結果

アンケート結果 (PDF 142KB)

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