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市長施政方針 令和6年3月

掲載日:令和6年3月4日更新

令和6年3月南魚沼市議会定例会施政方針(南魚沼市長 林茂男)

令和6年3月施政方針(総論) (PDF 574KB)

総論

令和6年3月議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申し上げます。また、日頃より市政にご尽力いただいていることに対し、深く敬意を表しますとともに感謝を申し上げます。

「令和6年能登半島地震」について

まず、1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」についてであります。

この度の地震によりお亡くなりになられた方々に対しまして、衷心()よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に対しまして、お見舞いを申し上げるところであります。

今回の能登半島地震では、南魚沼市六日町(本庁舎)で震度5強を観測したため、私以下、職員は非常参集基準に基づき登庁し、情報連絡会議として臨時庁議を2回開催しました。各部からの被害状況報告から、災害対策本部の設置は不要であると判断し、担当課を除き非常参集体制を解除したところであります。

市内の被害状況につきましては、2月16日現在、人的被害はなく、建物被害は一部損壊8棟(住家1棟、非住家7棟)となっております。

職員の災害派遣につきましては、各部等が締結している協定等に基づき、延べ185人の職員を派遣しております。

ここで、令和5年12月議会定例会以降の経過等につきましてご報告申し上げますとともに、新年度を迎えるに当たり、市政運営に対する私の所信を申し上げます。

保健・医療・福祉

第一に、保健・医療・福祉についてであります。

新型コロナワクチンの令和5年秋開始接種につきましては、集団接種について小児、乳幼児以外は11月26日に、乳幼児は12月24日にそれぞれ終了し、現在は医療機関での個別接種を実施しております。約3年におよぶ特例臨時接種が3月末で終了することから、一時は駆け込み的な予約も見られましたが、医療機関の予約枠を活用しながら対応しております。また、次年度以降の新型コロナワクチン接種への対応については、国の動向を見ながら並行して準備を進めてまいります。

自殺対策につきましては、コロナ禍で集合形式の取組が困難だった「地域で心のサポートを考える会」を医師会・地域づくり協議会のご協力のもと、関係各機関と連携し2地域で開催いたしました。今後も地域での見守りネットワークの強化に努めてまいります。また、新規の取組である依存症者の居場所支援については、関係機関のご協力のもと予定回数を開催しております。

医療対策の推進につきましては、2月24日、全市民を対象に「医療のまちづくり拡大市民会議」を開催し、ゆきぐに大和病院の診療所化を含めた市立病院の再々編の概要などの説明と意見交換を行い、あわせて市民病院の回復期病床の機能の見学や日常生活動作を回復させるためのリハビリテーションを体験していただきました。今後も市民の皆さまのご理解をいただきながら準備を進めてまいります。

常勤医師の確保につきましては、自治医科大学卒業医師の人事交流に向けて新潟県と協議するとともに、子育て世代やセカンドキャリアを考える世代の医師確保に向けて柔軟で多様な働き方に対応できるよう、勤務体制の整備に取り組んでおります。多方面へ反復して働きかけた結果、南魚沼市民病院においては今年3月からリハビリテーション医を確保することができました。加えて4月からは腎臓内科及び皮膚科の常勤医を1名ずつ、ゆきぐに大和病院においても内科の常勤医を1名、合計4名もの常勤医師を確保することができ、市立病院の医療機能充実と安定化に大きく寄与するものと考えております。

なお、令和4年6月に策定した「医療のまちづくりに関する骨太の全体計画」につきましては、計画の進捗状況や社会情勢の変化を考慮し、現在、今年度内の改訂に向けて作業を進めているところであります。

病院事業につきましては、市立病院の再々編を進めており、ゆきぐに大和病院で段階的に運用病床を縮小していくため、地域包括ケア病床を2月末で廃止し、全てを一般病床としました。一方、南魚沼市民病院では4月から第3病棟の全ての病床を回復期リハビリテーション病床に転換するとともに、第2病棟の一部を地域包括ケア病床として運用する準備を進めております。これに併せて、理学療法士及び作業療法士を増員することにより、日常生活動作の向上によって在宅復帰を支援する体制を強化するとともに、一部県外へ流出している回復期の医療需要に対応するよう取り組んでまいります。

子育て支援関係につきましては、物価高騰に直面し、影響を特に受ける低所得の子育て世帯を支援する「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」(児童1人当たり5万円)を「ひとり親世帯分」として、家計が急変した世帯や、新たに児童扶養手当の受給者となった対象者などへ、引き続き給付を行っており、2月13日までに373世帯567人に給付を行いました。また、「その他世帯分」として令和5年度市県民税の非課税世帯や家計が急変した世帯に、2月13日までに317世帯576人に給付を行いました。令和6年2月29日で申請受付を終了し、3月に最終給付を行い、事業を完了する予定であります。

次に、市の独自施策である「高校生・大学生等保護者生活支援給付金」(学生1人当たり3万円)については、1月26日までに1,454世帯、1,992人に給付を行いました。市報への掲載やSNSでの発信、デジタルサイネージにより周知を図りました。令和6年2月29日で申請受付を終了し、3月に最終給付を行い、事業を完了する予定であります。

公設民営の「浦佐認定こども園」につきましては、令和6年3月31日で指定管理期間が満了となることから、医療法人社団「萌気会」と公私連携保育所型認定こども園への移行について協議を重ねてまいりました。2月9日に「公私連携保育法人等審査会」を開催し、公私連携法人としての基準を満たしていると認められました。今後は、協定を締結して、令和6年4月1日から「浦佐認定こども園」を公私連携保育所型認定こども園としてスタートすることを予定しております。南魚沼市保育園条例の一部改正案を今定例会に提案いたしました。

福祉関係につきましては、「令和5年南魚沼市価格高騰緊急支援給付金」及び「福祉灯油購入助成費」について12月19日に対象となる世帯に通知を郵送し、1月24日に初回振込、2月7日に2回目の振込を行い、2月7日現在で5,324件に給付を行いました。金額については、緊急支援給付金が3億7,268万円、灯油購入助成費が2,662万円となっております。引き続き、順次給付を行ってまいります。

「第4期障がい者計画」及び「第7期障がい福祉計画・第3期障がい児福祉計画」の策定につきましては、令和6年2月29日に開催された「南魚沼市自立支援協議会全体会」において最終協議が行われました。引き続き、必要な支援が適切に提供されるよう努めてまいります。

介護保険関係につきましては、令和6年度から令和8年度を期間とする「第9期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の策定に向け、2月16日に「第4回高齢者福祉・介護保険事業計画検討委員会」を開催いたしました。地域包括ケアシステムの更なる深化・推進などに関する基本方針及び介護保険料額を含む計画全体について、ご承認いただいたところであります。今定例会に、関係条例の一部改正等及び関連する議案を提案いたしました。

国民健康保険事業につきましては、健康・医療・健診データを活用して効果的な保健事業を実施するため、令和6年度から令和11年度までの「南魚沼市国保第3期データヘルス計画案」を作成しました。1月4日から、広く市民の皆さまからのご意見を募集するためパブリックコメントを実施し、2月22日に開催した国保運営協議会において説明し、計画案についてご承認いただいたところであります。

また、令和6年度国保・後期人間ドック助成の申請受付を12月1日から開始し、合わせて1,160人の被保険者から申込みがありました。今後、検診機関と日程調整のうえ、3月中に決定通知を送付できるよう準備を進めてまいります。

教育・文化

次に、教育・文化についてであります。

市立学校の学区再編につきましては、昨年11月に開催した第12回学区再編等検討委員会において、これまでの議論をまとめた中間報告が示されました。中間報告では、小学校の適正な学校規模については、12学級以上18学級以下、中学校は7学級以上とされ、また、学校の適正配置については、市内4つの中学校では、今後も当分の間は1学年複数学級が維持できる見通しであることから、当面の現状維持が示された一方、小学校については、将来的な児童数の減少によって学校を統廃合する場合、現在の中学校区を単位として、最終的には1校に統合すべきとの考えが示されました。また、検討委員会では、今後の学校の小規模化が地域によって差があることや、既に1学年1クラスの小学校が存在していること、加えて小規模ながらも地域との連携によって学校が良好に運営されていることなど、様々な地域の状況を考慮し、地域の主体的な合意形成によって統廃合を進めるよう提言されています。今後の検討委員会では、中学校区ごとの統廃合について、今後40年間の児童生徒数の推移や学校施設の老朽化など地域ごとの状況を考慮しながら議論を重ね、最終答申としてまとめることとしております。

南魚沼市ご出身の方からのご寄附により創設した南魚沼市給付型奨学金制度につきましては、令和6年度からの給付対象者として5名を選考いたしました。改めてご寄附をいただいた方に心から感謝申し上げます。なお、対象となる5名の方に給付する入学準備にかかる奨学資金について3月補正予算に計上いたしましたのでよろしくお願いいたします。

統合学校給食センターの建設につきましては、現在、施設や厨房機器の設計を進めており、学校給食センターの栄養教諭から施設内の動線や調理機器の配置等について具体的な意見をもらい、それらを設計に反映させるなど、令和6年度からの工事着手に向け予定どおり事業が進められています。

地域文化の振興につきましては、国の指定史跡、坂戸城跡の指定区域全体の形状や史跡を調べる航空レーザー測量が完了し、測量結果が得られました。今後、測量結果を分析し、坂戸城跡の保存や管理のあり方について、有識者と協議をしながら検討を進めてまいります。

文化施設の照明LED化改修事業では、トミオカホワイト美術館及び文化資料展示館(池田記念美術館)1階の館内照明のLED化工事が完了し、美術作品を鑑賞する環境が整備されました。今後も市民の芸術文化活動の促進を図るため、個性豊かな文化施設の整備と充実に努めてまいります。

生涯スポーツの推進につきましては、少雪の影響により欠之上クロスカントリーコースの開設が心配されましたが、懸命な整備作業などにより、先月までに無事開設することができました。今後も適切な管理運営に努め、練習や大会の場となっている貴重な施設として、利用促進を図ってまいります。2月18日には、第45回ノルウェー大使杯争奪スキー大会が開催され、クリスティン・イグルム駐日ノルウェー王国特命全権大使からご臨席を賜りました。ご自身もコースを滑ってクロスカントリースキーを楽しまれるなど、大会を盛り上げていただきました。改めて、このスキー大会が、昭和47年にノルウェー王国のリレハンメル市と姉妹都市提携をしたことにより始まった歴史ある大会であることを認識するよい機会となりました。今後もスポーツを通して姉妹都市や国内の友好都市との交流を深め、生涯スポーツの推進に取り組んでまいります。

環境共生

次に、環境共生についてであります。

可燃ごみ処理施設の延命化対策につきましては、2月上旬から後期工事に着手しており、令和4年度繰越明許費にかかる工事を含め、今月中旬の完了を予定しております。しかしながら、未だ機械部品の調達が困難となっている状況が継続しており、今年度発注の一部工事については遅れが発生していることから、今定例会の補正予算に繰越明許費を計上いたしました。引き続き調達状況を勘案しながら、着実な実施に努めてまいります。

ごみ減量化の取組につきましては、2月上旬に今年最初となる「廃棄物減量化等推進審議会」を開催し、これまでの取組や今後の活動について審議いただいたほか、廃棄物処理事業者からの課題提起についても共有したところであります。また、近年高まる災害リスクへの備えとして、地元関係事業者と昨年10月に締結した「災害廃棄物処理の協力に関する協定」に基づく最初の連絡会議を1月に開催し、優先的に取組を進める課題について協議を行いました。

各処理施設における地元地域との関係では、3月下旬にごみ処理施設や最終処分場に関連した地元行政区との定例会を予定しており、引き続き地元地域と意思疎通を図りながら、信頼される事業運営に努めてまいります。

新ごみ処理施設整備事業につきましては、昨年度進めてきた「新ごみ処理施設整備基本計画」をもとに、施設の配置や詳細な施設の内容を定める「新ごみ処理施設整備基本設計」と、施設が設置されたことによる周辺環境への影響を調査、予測する「生活環境影響調査」を中心に進めてまいりました。この2事業は令和5年度から6年度の継続事業であり、適正な施設の計画、調査となるよう継続して進めてまいります。また、令和6年度から始まる本格的な事業が円滑に進められるよう、建設予定地の旧し尿処理施設と管理棟の解体に向けた有害物質調査などの準備業務も進めてまいりました。

地元行政区の取組状況につきましては、三集落協議会の開催により事業の情報共有を図るとともに、廃棄物対策課と連携して「環境衛生センター通信」を発行し、トピックスや今後の予定などについて情報発信してまいりました。今後も地元行政区に対して、より丁寧な情報発信と情報共有に努め、信頼関係の一層の充実を図りながら事業推進に努めてまいります。

地盤沈下対策につきましては、今シーズンはまとまった降雪があった日でも翌日には回復に向かうといった天候であったことから、継続的な地下水位低下にはならず、地盤沈下警報を発令する状況にはなりませんでした。しかしながら、雪が多く降った際には、一時的であるとしても急激に地下水位が低下し、これに比例して地盤収縮が起こる状況に変わりはありません。降雪時の地下水の状況をよりわかりやすくお知らせし、地下水の適正利用を市民に広く呼びかけ、節水に取り組んでいただく必要があります。そのため、市ウェブサイトで地下水位と地盤収縮量の1時間ごとの観測情報を公開するとともに、本庁舎1階ロビーにも同様の情報を掲示し、節水意識の醸成や注意喚起に取り組んでいるところであります。

環境施策の取組につきましては、「南魚沼市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」の策定に向けて、12月26日の「第1回南魚沼市環境審議会」において、計画の素案として具体的な方針や目標数値を示し、ご審議いただき、貴重なご意見をいただきました。これを踏まえて、2月5日に「第4回庁内検討会議」を開催し、市役所自らの温室効果ガス排出量削減の計画としてまとめ、2月28日の「第2回南魚沼市環境審議会」で了承いただいたところであります。

都市基盤

次に、都市基盤についてであります。

除雪事業につきましては、今冬は暖冬傾向で降雪量は平年より少ない予報でしたが、1月中旬には全国的に非常に強い寒波が襲来し、国土交通省北陸地方整備局とネクスコ東日本では大規模な車両滞留を発生させないよう予防的措置として国道17号と関越自動車道の同時通行止めを実施し、湯沢町とみなかみ町の間で集中除雪作業を行いました。市民生活や経済活動への波及も心配されましたが、当市では大きな影響はありませんでした。

国土交通省の直轄国道事業につきましては、令和5年度補正予算において「国道17号浦佐バイパス」に1億円、「国道253号八箇峠道路」に1億5,000万円の配分がありました。今後も円滑な事業の実施に協力するとともに、早期の全線開通に向けた要望を続けてまいります。

直轄砂防事業につきましては「高棚川砂防堰堤群」に1億3,500万円の補正予算の配分がありました。

交通安全対策の推進につきましては、昨年10月に交通死亡事故が発生しましたが、年が明けた1月5日にも痛ましい交通死亡事故が発生しました。大変切なく悲しいことであり、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。この事故が発生したことを受け、南魚沼警察署の主導で「緊急シルバーゾーン対策」が実施され、市ウェブサイトやFMゆきぐに、広報巡回などにより交通事故防止を呼びかけました。

令和5年中の市内の交通事故は、発生件数、負傷者数ともに前年より増加し、3年ぶりとなる交通死亡事故も発生しました。交通事故統計などにより発生原因の分析に努め、南魚沼警察署や交通安全協会などと連携して、交通事故防止活動に取り組んでまいります。

水道事業につきましては、発注した施設や管路工事は順調に進捗しております。非常用水源の整備では、中之島非常用水源と既存の送水管を連絡する工事が完了いたしました。また、継続費の畔地浄水場非常用自家発電設備更新工事は、ガスタービン発電装置及び接続機器の工場での製作を実施しており、令和6年9月の完成を予定しております。

下水道事業につきましては、農業集落排水「栃窪処理場」の維持管理適正化計画策定業務委託を来年度に予定しておりましたが、昨年11月に配分のあった国補正予算に伴い、県補助金を受けて今年度に前倒しすることといたしました。また、新潟県も流域下水道建設事業の一部を前倒しで実施することとなり、これに係る市の負担金が生じるため、今定例会に補正予算を計上しております。

産業振興

次に、産業振興についてであります。

農業関係につきましては、魚沼を含む中越地域の令和5年産米の作況指数は96の「やや不良・やや少ない」、10アール当たりの収量は501キログラムとなりました。また、梅雨明け以降から9月の収穫期までの記録的な異常高温・渇水により著しい品質低下となり、市内JAによる検査実績では個袋のみの結果ですがコシヒカリの1等米比率は8.1パーセントとなりました。(内訳は南魚沼市5.6%、湯沢町77.7%)しかし、等級は低下したものの食味は問題ないこと、また市をはじめJAなどで販売促進やPRに取り組んだことから管内JAで集荷された5年産米は全て卸業者と契約することができました。

販売促進の取組につきましては、2月2日(金曜日)に東京大手町3()×()3()(さんさん)ラボにおいて、おにぎり具材に関してのトップ・ブランドを有する全国7自治体が集まり「第1回おにぎりサミット」が開催されました。会場は多くのメディア関係者や協賛企業が集まり、大変な盛り上がりを見せました。今後も、連携自治体が共同でイベント出展やPRを実施することで、南魚沼産コシヒカリを中心とした特産品の一層の販売促進を進めてまいります。

農地中間管理機構を通じた人・農地プランによる取組も10年が経過し、12月末現在で598.6ヘクタールの農地が担い手に貸し付けられています。今後は、地域で目指すべき将来の農地利用の姿を明確にした地域計画を策定し、その実現に向けた取組へと段階的に移行していきます。今後も、担い手への効果的な農地の集積・集約化を進めるべく、関係機関と連携して取組を進めてまいります。

昨年夏の異常高温・渇水により影響を受けた水稲農家を対象に取り組んでいる「収入減少支援対策事業」では、12月末現在1,908件の申請があり、2億5,414万円の支援金を給付しました。また、12月27日に南魚沼市融雪協会との間で「渇水時における農業用水確保のための応急対策に関する協定」を締結いたしました。これにより、渇水等により農業用水の確保が必要となった際に、必要となる設備・器材の供給や仮設工事等が速やかに実施できるものと期待しております。

観光振興につきましては、12月下旬以降の少雪と、元日に発生した「令和6年能登半島地震」の影響はあったものの、10か所のスキー場のうち、7か所が年末年始の営業を行うことができました。入込客数は8万202人(対前年比88.34%、対前々年比88.35%)となりました。

田園都市構想整備事業につきましては、南魚沼市産業育成支援特別顧問である松井利夫氏から提案された「リゾートオフィス・田園都市構想」の取組の一つとして実施を予定している「『道の駅南魚沼』再整備事業基本構想(案)」に対するパブリックコメントの募集を1月5日から1月31日まで実施いたしました。

観光地域づくりの推進につきましては、南魚沼市観光協会と共同で市内に訪れた旅行者へアンケート調査を実施いたしました。旅行者の視点から当市の現状を把握し、観光地経営の視点に立った観光地域づくりを考える基礎資料の一つとしてまいります。

イノベーション人材育成事業につきましては、市内で新たなビジネスにチャレンジする人材の育成を目的とした「南魚沼市チャレンジ支援事業補助金」に9件の応募があり、全応募者が書類審査を通過し、2月22日の審査会において事業の構想や調査研究内容についてのプレゼンテーションを行いました。今後、採択者の速やかな事業実施を支援するとともに、引き続き意欲ある起業家や事業者の支援に取り組んでまいります。

行財政改革・市民参画

次に、行財政改革・市民参画についてであります。

行政改革につきましては、2月19日に行政改革推進委員会を開催し、アクションプランの今年度の取組について外部評価をいただきました。行政改革大綱の実現に向け、引き続き具体的な事務事業の見直しと改善を進めてまいります。

「第2次南魚沼市総合計画」につきましては、1月16日の総合計画審議会で、令和6年度から8年度までの実施計画及び令和4年度以降のふるさと納税の果実分を「ふるさと応援活用基金」として活用する予定の事業について審議をいただき、異議なしとの答申をいただきました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進につきましては、市民サービスにおける利便性の向上と事務軽減に向けて、引き続き「子育て支援DX」により保育・母子関係、「窓口DX」により書かない・待たない・来ない窓口及び電子申請とキャッシュレス関係、併せて実現したい事案への対処として「ネットワーク・セキュリティ対策」について、ワーキンググループで検討を進めております。また、「文書管理・電子決裁」の業務変革や各種会議や議会などの紙資料を「ペーパーレス化」して事務の効率化を図る「システム」導入の全体像のあり方を関係部署と調査、検討を重ねております。

地域活動支援事業の「ふるさとワーキングホリデー」につきましては、大学生の春季休暇に合わせて2月5日から3月21日までの期間に、2週間ずつの3回に分けて概ね各10名で実施しております。

ふるさと納税推進事業につきましては、令和6年2月18日現在で寄附件数163,189件(対前年度比106.2%)、寄附額54億1,077万6千円(対前年度比112.4%)となり、既に前年度の実績を超えることができました。これも一重に寄附者の皆さまの多大なる応援によるものであります。この場をお借りしまして、改めて感謝申し上げます。

一般会計補正予算

今定例会に一般会計補正予算(第9号)を提出いたしました。

主な内容といたしましては、歳出では、ふるさと納税に係る諸経費を調整しました。ふるさと納税寄附金は、1月末時点で前年比110パーセント、53億円を超えるご寄附をいただいていることから、この歳入見込み額を計上するとともに、ふるさと応援活用基金に15億6,471万円を積み立てします。

歳入では、普通交付税の再算定による追加交付額の確定により1億6,299万円を追加し、財政調整基金繰入金のうち、3億5,500万円を戻し入れすることができました。

以上により、歳入歳出予算にそれぞれ18億8,186万円を追加し、総額を409億4,794万8千円としたいものであります。

なお、年度内に事業が完了しない見込みである31事業について、当該事業の未執行予算11億3,784万8千円を、翌年度に繰り越して執行ができるように繰越明許費を計上いたしました。

令和6年度当初予算

次に、新年度当初予算編成にあたり所信の一端を申し上げます。

政府は、新年度予算において、「経済財政運営と改革の基本方針2023」で示された、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づき、物価や経済の動向を踏まえ、人への投資の抜本強化、労働移動の円滑化、労務費も含めた価格転嫁対策の強化等により、潜在成長率の引上げを図るとしています。また、地方財政においては、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、令和5年度地方財政計画の水準を確保することとしております。

当市においては、課題である財政指標等については、実施計画ローリングと財政計画に基づき確実に進めてきた結果、実質公債費比率、将来負担比率ともに改善し、また起債残高も着実に減少いたしました。しかしながら、景気動向及び急速に進行する人口減などの影響によっては、容易に財政状況の悪化を招きかねないことから、予断を許さない状況にあると認識しております。

市政への要望や課題は山積しておりますが、持続可能な財政運営を念頭に、着実な市政運営を進めてまいります。

歳入では、市税につきましては、経済情勢等を踏まえ算定いたしました。譲与税、交付金、地方交付税、臨時財政対策債につきましては、地方財政計画の見込み、増減率など基準財政需要額への影響を踏まえた推計を行って、算定したところであります。国県支出金その他の特定財源は、歳出の各事業に基づき、適切に計上しております。

歳出では、総合計画実施計画のローリングに基づき、主要な施策を着実に進捗させるとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、大規模改修や不要となった公共施設の解体除却の費用及び新たな取組に必要な経費を計上いたしました。

また、全国の皆さまからご寄附をいただいた、ふるさと納税を活用し、昨年に引き続き、道路整備などのインフラ整備の充実を図ります。そのほか、令和6年11月1日に市制施行20周年を迎えることから、市民の皆さまとともに20周年を祝うことを目的に、記念式典をはじめとした各種事業を行います。

以上を踏まえ、令和6年度一般会計予算を、総額395億6,000万円、前年度比59億4,000万円、17.7パーセントの増で編成いたしました。

令和6年度事業概要

次に、新年度の主な事業概要についてご説明申し上げます。

保健・医療・福祉

第1 保健・医療・福祉についてであります。

保健関係につきましては、市民一人一人が主役となり「自分の健康は自分でつくる」ことを意識しながら実践できる健康施策を、健康推進員、食生活改善推進員、筋力づくりサポーター及び地域づくり協議会の協力のもとに推進してまいります。

そのための方策として、第1に、令和2年度に新型コロナウイルスの感染拡大により減少した健(検)診受診者数は回復傾向であるものの、令和元年度の受診者数に回復していないため、より一層の受診勧奨に努めます。併せて「高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施」を、引き続き推進してまいります。また、令和6年度から、新たにがん患者へのウィッグ等の医療用補装具の購入費用を助成します。がん医療の進歩によって治療を継続しながら社会生活を送るがん患者が増加しています。がんの治療と学業や仕事との両立を可能とし、治療後も同様の生活を維持するためのアピアランスケア(外見の変化に対するケア)を推進してまいります。

第2として、予防接種事業及び母子保健事業の充実に努め、第5期の風しん事業や、積極的勧奨が再開された子宮頸がん予防ワクチンの接種など、定期接種となっている各予防接種に加え、新年度から定期接種化される新型コロナワクチンの最新情報について市民へ的確にお知らせし、正しい知識の普及啓発と予防接種を進めてまいります。また、こども家庭サポートセンターや子育て支援センターとの連携により、妊娠期から子育て期の切れ目のない支援を推進し、乳幼児健診や療育支援の充実など健全な子育てのための施策を推進します。不妊治療、不育症治療や妊産婦健診への助成を継続し、新たに新生児聴覚検査、1か月児健康診査の費用を助成します。さらに、歯科保健事業では5歳児のむし歯罹患率を減少させるため、3歳児健診後から保育園でのフッ化物洗口が始まるまでの間に、フッ化物塗布を歯科医院で受けられるよう費用を助成します。

第3として、大きな課題である自殺予防対策について、県や医療機関などの関係機関、地域づくり協議会や教育現場とも連携して、活動強化を図ってまいります。高齢者対策に加え、働き盛り世代の男女、若年層対策にも引き続き取り組むほか、相談窓口の周知や、アルコール等依存症者支援としての居場所支援などの事業を継続して実施いたします。また、未遂者の支援について医療機関との連携を強化し取り組んでまいります。

医療関係につきましては、市内開業医の高齢化が進むことにより、その後継者確保が急務であることを鑑み、診療所開業の施設整備に対する助成制度を新たに開始し、一次医療を担う診療所の開業促進を図ってまいります。加えて、看護師確保も困難な状況であることから、県外からの移住支援の強化を図ってまいります。

市立病院の再々編につきましては、ゆきぐに大和病院では4月から着任する内科医を大和地域包括医療センター移行統括長として任命し、新たな組織体制の整備を進めると同時に、南魚沼市民病院への入院機能の集約を段階的に進めてまいります。さらに4月には「ゆきぐに大和訪問看護ステーション」を開設し、順次、在宅医療体制の拡充に取り組んでまいります。南魚沼市民病院では、4月から新たに腎臓内科医、皮膚科医を確保することができ、生命維持に欠かせない人工透析や需要の多い皮膚疾患などの診療体制の拡充と安定化が図られるものと考えております。また、これまでゆきぐに大和病院が担ってきたへき地医療拠点病院の機能を南魚沼市民病院へ移転すると同時に、市内山間地域など巡回診療の範囲を拡大すべく、体制の整備に取り組んでまいります。

健診施設等建設事業につきましては、3月末で実施設計が完了することから、目標である令和8年度のオープンに向けて、新年度から建設工事を開始できるよう準備を進めてまいります。

子育て支援関係につきましては、「第3期南魚沼市子ども・子育て支援事業計画」の策定年度であり、国の「こども大綱」、県の「こども条例」を勘案した計画の策定が求められます。今後、こども施策に関する計画を一体化する「南魚沼市こども計画」の策定も視野に入れて、関係部署と協議してまいります。

福祉関係につきましては、「第4期障がい者計画」及び「第7期障がい福祉計画・第3期障がい児福祉計画」の初年度となります。基本理念である「障がい者の自立と皆でつくる共生社会」を目指し、障がい福祉サービスの提供体制及び自立支援給付等の円滑な実施に取り組んでまいります。

生活困窮者支援につきましては、自立相談・家計改善・就労準備・子どもの学習支援などのメニューにより、南魚沼市社会福祉協議会と連携しながら、引き続き生活困窮者の自立支援に取り組んでまいります。

障がい者の社会参加の促進につきましては、市全体の障がい者の法定雇用率の達成に向けて取り組みます。また、昨年度市役所内に設置した「障がい者ワークステーション」を中心に、事業所としての法定雇用率の達成に向けても引き続き取り組んでまいります。

介護保険関係につきましては、「第9期介護保険事業計画」初年度にあたり、引き続き介護人材確保策として、「介護人材確保緊急5か年事業」の継続、サービスの質の向上と経済的負担の軽減を図るため資格取得支援を継続して行います。

また、介護保険制度開始から20年以上が経過し、施設、設備の老朽化が大きな課題となっている中、令和6年度を初年度とする大型の「介護施設大規模改修緊急5か年事業」を創設いたしました。国や県の大規模改修事業の補助金を受けられない施設に対し、改修費の一部補助を行い、安定的な介護サービス提供の実現を目指します。

国民健康保険事業につきましては、団塊の世代が後期高齢者医療制度に移りつつあり、被保険者数の減少が続いております。厳しい運営状況が続いておりますが、被保険者の健康増進や疾病予防・早期発見のための各種保健事業、医療費適正化事業に引き続き取り組むとともに、適切な保険税収納対策に努めてまいります。

後期高齢者医療につきましては、令和6年度が令和6・7年度の保険料率の改定年度となりますが、後期高齢者被保険者数の大幅な増加により保険料率は大幅に上昇することが決定されております。今後も高齢者の健康増進のため、引き続き人間ドックの助成、高齢者健診及び高齢者歯科健診を実施するほか、後期高齢者の健診受診率向上のため、高度なデータ分析とナッジ理論を活用した健診受診勧奨事業を実施してまいります。

教育・文化

第2 教育・文化についてであります。

学校教育につきましては、子どもたちの学力向上に向け、令和5年度から取り組んでいる「読む力」の育成に継続して取り組むとともに、来年度からは、AIを活用した学習ドリルをすべての中学生と小学校高学年の学習用端末に導入し、家庭学習で活用する仕組みを整えたいと考えております。児童生徒本人の学習の進み具合に合わせて学ぶことができる環境を整備し、不登校の児童生徒にも利用を促すことで、子どもたち一人一人の個別最適な学びの保障に取り組んでまいります。

また、英語の学力向上を図るため、中学生が受検する英語検定の受検料について、費用の一部を補助することといたします。受検料の補助により、生徒が英検合格を目標に設定し、語学力向上に意欲的に取り組み、実用英語の力が定着することを期待しています。

中学生海外派遣研修事業につきましては、来年度も生徒の派遣先をアメリカ合衆国ワシントンDC及びニューヨークとして、ニューヨーク新潟県人会の大坪会長様には昨年に引き続きご協力をお願いしています。また、派遣する生徒につきましては、中学生12名に加え、高校生を4名募集し、先日、派遣する生徒の選考会を実施いたしました。中学生からは35人、高校生からは9人の応募があり、子どもたちの注目の高さが伝わってまいりました。海外での体験活動を通して異文化への理解を深めるとともに、それぞれの気付きが、自らの人生に良い影響を与える機会となるように研修内容の充実に努めてまいります。

学校教育施設の整備につきましては、引き続き北辰小学校の大規模改造工事を進めるとともに、国の前倒し内示により昨年12月議会の補正予算に計上し、令和6年度に繰り越して執行を予定している薮神小学校のトイレ改修や城内小学校のグラウンド改修工事をはじめ、小学校の特別教室への空調設備改修、小中学校の体育館の照明LED化などに取り組み、学校施設の環境改善を図ってまいります。

地域文化の振興につきましては、4月から北里大学の新たな学部として市内に健康科学部が創設されることに合わせ、市民の芸術文化への関心を高めるため、北里大学の特別栄誉教授で、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村()()博士の美術コレクションの展覧会を開催いたします。大村博士は現在、韮崎()大村()美術館()の館長も務められており、収蔵品の貸出しについてご内諾をいただき、会場となる池田記念美術館と準備を進めております。

また、昨年開催したオペラ公演が、市民参加型の芸術文化活動として有効であったことから、内容を充実させ来年度も開催したいと考えております。このほか市制施行20周年を記念して特別企画展や芸術鑑賞事業、さらに図書館開館10周年記念の特別講演会等を企画しております。これらの事業を実施することにより、市民の文化芸術活動の振興と生涯学習の推進につなげてまいります。

生涯スポーツの推進につきましては、ディスポート南魚沼のプール設備の改修に加え、大原運動公園の多目的グラウンド及び南魚沼市スケートパークのナイター照明のLED化などに取り組み、市民が快適にスポーツを楽しめる環境の整備を進めてまいります。

魚沼市及び湯沢町と2市1町で形成する「雪国魚沼ゴールデンサイクルルート」につきましては、自治体間で情報を共有し、道路管理者等と連携しながら、引き続き自転車に安全な走行環境の整備に努めてまいります。また、将来的なナショナルサイクルルートの指定に向け、2市1町と新潟県及び関係機関で構成する「自転車活用推進協議会(正式名称:湯沢町・南魚沼市・魚沼市連携自転車活用推進協議会)」で課題を共有し、サイクルツーリズムの拠点としての受入れ体制の整備や、統一した情報発信など組織的な事業展開を進めてまいります。

環境共生

第3 環境共生についてであります。

老朽化が進むごみ処理施設の運営及び延命化対策につきましては、今後における社会情勢の変化を踏まえながら、(運営及び延命化対策の)実施に努めてまいります。また、可燃ごみ処理施設については、令和6年度で稼働開始から20年を迎えることから、これまでの施設運営への地元協力と理解に対する感謝として、ささやかながら記念事業を企画しております。引き続き地元地域との信頼関係を深めながら、リサイクル優先の市民啓発に努めてまいります。

新ごみ処理施設の整備計画では、令和5年度からの継続事業である「新ごみ処理施設整備基本設計」と「生活環境影響調査」について業務を完了させ、施設整備の詳細な計画策定と周辺環境への影響についてまとめてまいります。

また、令和7年度に計画している旧し尿処理施設と事務所棟の解体に向けて解体実施設計の策定や排水処理施設の設置工事を行うとともに、予定地の地質調査や施設建設の発注に向けた要求水準書の策定業務などにも取り組むことを予定しています。今後本格的に業務が進んでいくことから、計画的な取組により着実な事業の推進に努めてまいります。さらに、地元行政区との協議におきましては、施設の具体的な内容等について、より丁寧な説明と対応を心掛け、最終的な決定に向けて進めてまいります。

有害鳥獣対策につきましては、クマの出没被害防止対策として令和4年度から六日町市街地周辺の魚野川河川敷の藪刈り払いを実施しておりますが、これに加え、山際の緩衝地帯についても、県の補助事業を活用して継続的に取り組んでまいります。また、昨年秋にはクマ出没の大幅な増加があり、今年も同様の状況が危惧されることなどから、有害鳥獣の捕獲体制を整備するためトレイルカメラを導入して鳥獣被害対策実施隊の活動の効率化を図り、人身被害の防止や農作物被害の軽減に努めてまいります。

地盤沈下対策につきましては、地下水位や地盤収縮量について、市ウェブサイトで1時間ごとの情報を更新・公開しています。市民の地下水への関心を高めることで適正利用に繋げ、水準測量の結果等の公表・周知と併せて、より節水意識の浸透が図られるよう努めてまいります。また、引き続き公共施設への間欠運転機能付き降雪検知器の設置を進めてまいります。

環境施策の取組につきましては、これまでの「新エネルギー等普及促進事業費」から「新エネルギー政策推進事業費」に事業名を変更し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた2030年温室効果ガス削減目標50パーセントを達成するための事業を展開してまいります。その一つとして、市自らの取組として、豪雪地域の当市における太陽光発電設備の普及促進を図るため、市役所庁舎敷地内への設置を予定しております。これにより、公用車のEV化を進めるうえで課題となる使用電力量の増加や夏場における本庁舎の電力使用量の抑制につなげていくものであります。また、市民向けには、「住宅への太陽光発電設備の導入」や「省エネルギー性能の高いエアコンへの買い換え費用」に対する一部補助制度を新たに創設し、市内における普及促進及び温室効果ガス削減の市民ニーズの向上を推進してまいります。

雪資源活用事業につきましては、私の「雪へのこだわり」と、これまで取り組んできた「南魚沼市の特色」として、地域特有の再生可能エネルギー「雪氷熱利用」を活用した公共施設等における省エネ化を実現するため、昨年度の実証実験を踏まえ市役所南分館1階の一部に雪冷熱冷房設備の設置を行います。雪のエネルギー資源としての可能性を市民に可視化し、雪の産業化に発展させていきたいと考えております。また、各部署が大学や民間企業・団体等と連携しながら市内外において雪を活用したPR活動を実施するための貯雪場の設置も行ってまいります。

都市基盤

第4 都市基盤についてであります。

国土交通省の令和6年度予算決定概要における公共事業関係費につきましては、対前年度比1.00倍の5兆2,901億円であり、このほか令和5年度補正予算において、「防災・減災、国土強靭化など、国民の安全・安心の確保」のため、1兆5,195億円が確保されており、引き続き防災・減災、国土強靭化の取組の加速化などを図るため、重点的かつ集中的に対策を講じるものとなっております。

当市の令和6年度事業につきましては、国の施策を踏まえ「ひとにやさしいまちづくり」を進めるため、社会資本整備総合交付金事業として道路改築、消融雪施設整備、除雪費などに9億3,397万円(国費6億570万円)、その他の国庫補助事業として通学路の交通安全対策事業補助、道路メンテナンス事業補助、地方創生道整備推進交付金事業に3億7,250万円(国費2億580万円)を要望いたしました。公共事業の効率的・円滑な実施を図るため、地域企業の活用に配慮し適切な規模での発注に取り組み、施工時期の平準化や早期の工事発注に努めてまいります。

国土交通省直轄事業の「国道17号六日町バイパス・浦佐バイパス」、「国道253号八箇峠道路」につきましては、早期の全線開通に向け、引き続き要望活動を行うとともに事業の推進に協力してまいります。

公営住宅関係につきましては、長寿命化計画に基づき、国の交付金を最大限活用しながら、改修工事などを行ってまいります。

交通安全対策につきましては、季節ごとに実施される全国や新潟県の交通安全運動に重点的に取り組み、市内の交通死亡事故の防止や事故発生件数、負傷者数の減少を目指し、関係機関と連携して各種対策を進めてまいります。

水道事業につきましては、重点的に整備している中之島非常用水源の取水ポンプ設備工事と藤原配水池の紫外線滅菌設備工事に着手します。事業経営では、「水道事業経営戦略」の改定を行い、料金改定を反映させた事業収益の見直しや畔地浄水場の存続と非常用水源常用化の再評価に基づき将来の施設投資計画の立案を進めてまいります。

下水道事業につきましては、「下水道事業経営戦略」をより実態に即したものに改定し、将来を見据えた中で経営基盤の強化と効率化、財政マネジメントの向上に取り組んでまいります。老朽化施設の更新、投資の合理化に向けた広域化事業につきましては、大和クリーンセンターを県流域下水道へ統合する計画を進めてまいります。また、老朽化対策と不明水対策を兼ねたマンホール蓋の更新事業も継続して実施いたします。内水氾濫対策については、六日町及び塩沢地区の「雨水出水浸水想定区域図」の作成を行います。

産業振興

第5 産業振興についてであります。

農業関係につきましては、他県産米の大幅な値上がりにより県内産コシヒカリは売れやすい環境になっているものの、外食・業務用米需要も回復傾向にある反面、家庭での消費が逓減()傾向となってしまい、一般家庭向けの高価格帯米にも影響を及ぼしています。そうした状況ではありますが、令和6年産米についても、関係機関・団体と連携の上、国・県の支援策を活用しながら「需要に応じた米生産」を基本とし、高品質・良食味である「南魚沼産コシヒカリ」の生産支援と販売促進に努めてまいります。

また、法定化された「人・農地プラン」に基づき、目指すべき農地利用の姿を明確化する地域計画の策定を進めながら、多様な担い手を幅広く確保しつつ、農地の集積・集約化や法人化などへの支援、また園芸作物への転換や農業所得の拡大など、農業経営に関わる課題解決に向けて関係機関とともに取り組んでまいります。

畜産関係につきましては、市内畜産農家の減少と獣医師の高齢化を受け、今後の家畜指導診療所の運営について検討してまいりましたが、令和7年度から新潟県農業共済組合に診療業務を移管することで畜産農家から合意いただきました。令和6年度は、家畜指導診療所の閉所に向け農業共済組合へのスムーズな引継ぎができるよう、関係機関と調整を図ってまいります。

多面的機能支払、中山間地域等直接支払につきましては、制度も周知されてきており、引き続き農業・農村の持つ多面的機能がより一層発揮されるよう、地域の活動を支援してまいります。

林業の振興につきましては、好評をいただいている「ふるさと里山再生整備事業」も3年目を向かえ、地域に取組が理解されてきています。引き続き森林環境譲与税を活用し里山の整備を行い、鳥獣被害の防止と集落環境の整備を進めてまいります。

観光振興につきましては、日本一の食味を誇るコシヒカリの産地としてのブランド力向上と交流人口の拡大を目的に展開してきました『南魚沼、本気()丼』キャンペーンですが、今年で10周年目を迎えます。各種事業者と連携し更なる食によるまちおこしの推進に向けて取り組んでまいります。また、「田園都市構想整備事業」につきましては、令和6年1月に実施いたしました「『道の駅南魚沼』再整備事業基本構想(案)」に対するパブリックコメントを踏まえ、基本設計業務へと進めてまいります。

観光地域づくりの推進につきましては、現状把握、課題の整理から推進体制の構築まで、観光関連事業者の意見集約を行いながら、観光地経営の視点を持った計画策定に向けた取組を進めてまいります。

商工振興につきましては、事業創発拠点「MUSUBI-BA」での各種セミナーや首都圏でのイベントを開催しながら、当市の地域課題解決のための人材や企業の交流促進、地域産業の競争力強化や稼ぐ力を高める人材、起業家の育成に努めてまいります。

雇用促進につきましては、引き続き単日・短時間お仕事探しサイト「南魚沼マッチボックス」や事業承継マッチングプラットフォーム「relay() the() local((リレイ ザ ローカル) 南魚沼市」により、人手不足や後継者不足に課題を抱える市内事業者の支援に取り組んでまいります。

行財政改革、市民参画

第6 行財政改革、市民参画についてであります。

令和6年は市制施行20周年の記念すべき年となります。9月29日に予定しております記念式典に加え、特色ある記念事業を多数計画しております。当市が目指す将来像を実現するための契機と捉え、市民の皆さまと共に、この記念すべき年をお祝いするとともに、次の時代に向けて、連帯の輪が広がることを心から祈念するものであります。

機構改革につきましては、業務効率や業務の平準化を図るため、大和市民センター及び塩沢市民センター、市民課市民班の主幹の管轄業務を改変します。また、社会教育課生涯学習班を係体制に移行し、係長1人体制とします。

行政改革につきましては、行政改革大綱の体系に沿ってアクションプランとして具体的に取り組み、行政改革推進委員会による外部評価をいただきながら、改革の推進と進行管理を行ってまいります。

地域コミュニティ活動の推進につきましては、東地区地域づくり協議会の拠点施設の老朽化に伴い冷暖房が正常に稼働せず、市民の日常的な会合に支障をきたしている状況です。そこで、旧JAみなみ魚沼東支店の一部を貸借()し、代替()的な会合施設として稼働させることで、地域の拠点として活用していきたいと考えております。また、大巻地域づくり協議会の新設拠点の建設については、今年度実施設計を委託する予定です。

地域活動支援事業につきましては、引き続き地域おこし協力隊員の増員を図るとともに、専門的なノウハウを有する首都圏の企業の社員を一定期間派遣してもらう「地域活性化起業人制度」の活用を図っていきたいと考えております。

ふるさと納税につきましては、令和6年度も多くの事業者からご登録をいただき、返礼品のバリエーションを広げ、寄附者の満足度を高めながら、関係人口の増加に繋げられるよう事業に取り組んでまいります。また、より効果的なSNS活用を図るとともに引き続き関西圏へのPRにも力を入れてまいります。全国の皆さまよりいただいた貴重な寄附金を、市民の皆さまから喜んでいただけるように心を砕き、事業実施に充当してまいりたいと考えております。

マイナンバーカードの普及促進につきましては、既に本格運用が開始されている保険証としての利用のほか、「引越しワンストップサービス」が開始されています。また、今後も電子処方せんの利用拡大による安全安心な医療の推進や、現在の保険証を廃止してマイナンバーカードへの一本化、運転免許証機能の搭載など、利用場面の拡大が図られていく予定となっており、市民のカード取得を支援・推進するために受付体制の継続と強化を図ってまいります。

人権教育・啓発推進計画は第一次計画が令和7年度までとなっており、来年度から第二次計画策定に向けた準備期間に入ります。令和6年度は市民アンケートを実施する予定であります。

以上、新年度を迎えるに当たり、主要な施策について概要を述べたところであります。

結び

予期せぬ大地震からはじまった令和6年ですが、被災地では様々な協定等に基づく支援が全国各地から集まるとともに、「対口()支援()」と呼ばれる被災市区町村と支援担当市区町村が1対1の関係となる支援も行われています。そうした繋がりが、復興を加速させていくのだと思っています。南魚沼市においても今後起こり得る災害に備えることはもちろん、首都圏の災害に対しても、首都圏在住の当市関係者に迅速に対応するために、坂戸市と協定を締結しています。

こうした繋がりは、災害対応にとどまりません。おにぎりサミットでは、具材となる特産品を持つ6自治体と連携することを確認しました。1自治体では難しい大規模なPRイベントや広報を協同で展開し、それぞれが直面する課題を共有し、知恵を出し合える関係を構築してまいります。

また、医療の再々編であるゆきぐに大和診療所を中核とした大和地域包括医療センターの設置及び南魚沼市民病院への入院機能の集約化については、段階的に診療機能の転換を進めながら11月1日の運用開始に向けて、皆さまの理解をいただきながら準備を進めてまいります。

今年は、南魚沼市が誕生してから20周年となります。記念式典や記念事業を通じて、幾多の災害やコロナ禍を乗り越えてきたこの20年間の歩みを振り返るとともに、新たな時代に向けて皆さまと共に進んでいきたいと思っています。

私の市長の任期も残り8か月余りとなりましたが、就任当初から変わらず持ち続けている「南魚沼市を若者が帰ってこられる、住み続けられるふるさとにしたい」という強い思いを持って、山積する課題に真摯に向き合いながら、混迷する世界の中で下を向くのではなく、前を向いて自らが先頭に立って取組を進めてまいりますので、議員各位をはじめ、多くの方々からも格段のご支援をいただきますようお願い申し上げ所信表明といたします。

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