掲載日:令和6年9月2日更新
令和6年9月南魚沼市議会定例会施政方針(南魚沼市長 林茂男)
総 論
令和6年9月議会定例会の開会に当たり、議員各位のご健勝をお喜び申し上げます。また、日頃市政にご尽力いただいていることに対し、深甚なる敬意を表しますとともに感謝申し上げます。
ここで、6月議会定例会以降の経過等につきましてご報告申し上げます。
保健・医療・福祉
第1に、保健・医療・福祉についてであります。
健康づくり関係につきましては、第9期健康推進員の任期2年目の研修会を、5月、6月に開催し健康寿命の延伸や生活の質の向上等を目標に取り組んでおります。
新型コロナワクチンの予防接種につきましては、主に65歳以上の人を対象にした定期接種となりました。医療機関での個別接種となり、10月から接種を開始します。
健診施設等建設事業につきましては、7月22日から建設場所である南魚沼市民病院の駐車場において本格的な工事が始まりました。工事中の安全に留意するとともに、患者さんやご家族の利便性に配慮しながら、令和8年4月の稼働に向けて工事を進めてまいります。
病院事業につきましては、6月から南魚沼市民病院の急性期病床においてDPC(診断群分類別包括評価)による算定を開始するとともに、回復期リハビリテーション病棟に入院された全ての方に栄養評価や口腔評価を行うなど、在宅復帰に向けた支援を強化しております。これらを含め診療報酬の最上位基準を満たし、医療の安全性や質を向上させながら、経営改善を図るよう取り組んでいるところです。なお、7月からは4床増床して入院機能を拡大したところですが、90パーセントを超える病床稼働率で推移しております。
ゆきぐに大和病院では、6月30日付けで松島一雄医師が院長を退任され、7月1日から後任として小林豊医師が院長に就任いたしました。なお、松島医師には、引き続き月曜日から金曜日まで診療にあたっていただきます。入院患者数は、4月以降徐々に減少し、概ね50パーセント程度の稼働率で推移しております。4月に開設しましたゆきぐに大和訪問看護ステーションについては、着実に利用者数が増えており、さらなる利用者拡大と11月からの24時間対応を見据え、8月1日付で看護師2名を増員し、看護師7名、リハビリ技士3名の計10名体制としたところであります。
子育て支援関係につきましては、令和7年4月の統合石打保育園開園に向けて7月26日に改修工事を発注し、準備を進めております。
また、今年度は「第3期南魚沼市子ども・子育て支援事業計画」の策定年度であり令和6年3月26日に「子ども・子育て会議」を開催してニーズ調査を行うことを決定し、4月1日時点の南魚沼市にお住いの0歳~小学校3年生のいるご家庭にニーズ調査を行いました。現在、調査結果の取りまとめを行っており、推定した保育量を基に「子ども・子育て会議」において審議を行い、今年度末の計画策定に向けて作業を進めてまいります。
福祉関係につきましては、「令和6年南魚沼市価格高騰緊急支援給付金及び子育て世帯加算分」について対象となる世帯に通知を郵送し、8月28日に初回の給付金振込を行いました。引き続き順次、給付を行っております。
公営住宅につきましては、7月16日に1回目の住宅委員会を開催いたしました。公募戸数30戸に対して8件の申込みがあり、最終的に8戸の入居を決定いたしました。
「令和6年度南魚沼市高齢者施設及び障がい者施設緊急支援補助金」につきましては、8月15日に市内の障がい者施設に申請案内を通知し、支給手続きを開始しております。
介護保険関係につきましては、6月30日に薮神地域づくり協議会と協働で行方不明者捜索訓練を今町区で実施いたしました。認知症の人が安心して暮らせる地域の見守り支援体制を作ることを目的として、日頃から気を付けておくことや行方不明時の対応などを考えていただく機会となりました。また、福祉課同様に市内の高齢者施設に緊急支援補助金の申請案内を通知し、支給手続きを開始しております。
教育・文化
次に、教育・文化についてであります。
学校教育につきましては、市内の小・中学校、総合支援学校において夏季休業が順次終了し、8月30日までに全ての学校が2学期を迎えました。既に小学校では、9月の親善陸上大会、10月の学習発表会などに向けて準備が進められています。中学校では、体育祭の準備をはじめ、部活動の各種新人大会に向けて練習を重ねるなど、充実した学校生活が再開しています。また、総合支援学校では9月に小学部と高等部の修学旅行、10月19日にはMSGフェスタが予定されております。
学校施設整備につきましては、夏季休業期間に防犯カメラ設置工事を開始し、今月中にほとんどの小学校と総合支援学校の設置が完了する見込みとなっております。
中学生高校生海外派遣研修事業につきましては、7月30日から8日間の行程で中学生12名、高校生4名の計16名が参加いたしました。ワシントンDCでは、アメリカン大学の見学や日本人留学生との交流のほか、リンカーン記念堂やスミソニアン博物館を見学いたしました。ニューヨークでは、セントラルパークでのフィールドワークや9.11メモリアル・ミュージアム見学などのほか、ニューヨーク新潟県人会の皆さまがホストファミリーとなり、それぞれの生徒がホームステイを経験しました。また、今年もニューヨーク新潟県人会長大坪賢次様の計らいにより、在ニューヨーク総領事の森美樹夫大使や国際連合日本政府代表部の山﨑和之国連大使と面会し、世界平和や外交の重要性について学びました。非常に有意義な内容でしたので、参加した生徒にとって充実した研修になったものと感じております。改めて、ひとかたならぬご尽力をいただいた大坪会長に心から御礼申し上げます。
生涯学習機会の充実につきましては、学校の夏季休業期間を利用して、小中学生や親子を対象とした、地域の歴史・文化・特色を生かした様々な講座を開催いたしました。
大原運動公園ベーマガスタジアムの利活用状況につきましては、昨年に引き続き、8月4日から18日まで、早稲田大学野球部が夏季合宿を行いました。8月10日には全(オール)早稲田戦として、早稲田大学野球部の現役大学生と野球部OBの社会人選手の対戦も開催されました。8月24日・25日には、プロ野球イースタン・リーグに今年度からリーグ参戦となった「オイシックス新潟アルビレックスBC」のホームゲームとして千葉ロッテマリーンズ戦を開催し、8月31日には埼玉西武ライオンズ対横浜DeNAベイスターズ戦を開催しました。
また、その他のスポーツ事業の開催といたしまして、9月1日に「第2回近代3種大会in南魚沼(水泳・レーザーピストル・ランニング)」が塩沢中学校を会場として、市内外の小学生から高校生約120人が参加して開催されております。
自転車を活用したまちづくり事業につきましては、サイクリングの魅力や雪国魚沼ゴールデンサイクルルートの認知度向上及び走行環境PRを目的として、「南魚沼サイクルフェスタ」に併せて、初日の9月21日にトークイベントを開催することといたしました。サイクルフェスタと連動することで、南魚沼市の自転車活用の取組が、全国に向けてより魅力的に発信できるよう進めてまいります。
環境共生
次に、環境共生についてであります。
有害鳥獣対策につきましては、例年クマの出没が減少する6月に入ってからも目撃の通報が続き、市ウェブサイトやFMゆきぐに、広報巡回などにより市民への注意喚起を実施しました。毎年実施している山の木の実の豊凶調査では、7月末時点でほとんど結実が確認できず凶作と認識しており、今年も昨年と同様に秋から冬にかけて、クマの出没増加が強く懸念されます。人身被害防止対策として、継続実施している六日町市街地周辺の魚野川河川敷の藪刈り払いの場所に、今年は県所有のクマAI検知カメラを設置して緩衝帯監視の実証を行っております。また、国県の支援事業を活用し、罠監視用トレイルカメラの導入による捕獲体制の整備を図り、人身被害の未然防止に取り組んでおります。
桝形山最終処分場につきましては、関係行政区との今年6月末の協定期間満了により、26年間における運用を終了しました。これまでの間、関係地域の皆さまには協定期間の延長にご同意いただくなど、長きにわたり南魚沼市・湯沢町の広域的な廃棄物処理に対しましてご理解とご協力をいただき、心から感謝申し上げる次第であります。今後は施設の解体や整地に向けた工事を進めてまいります。また、跡地利用については地域と相談し進めることとしておりますが、7月中旬には関係行政区で組織される「桝形山最終処分場対策協議会」による先進地視察を実施し、運用終了後の有効活用についてイメージを共有したところであります。
可燃ごみ処理施設につきましては、「可燃ごみ処理施設運用開始20周年記念事業」について、関係地域からも事業実施にご協力をいただいたことに改めて感謝申し上げるとともに、今後も廃棄物処理施設における関係地域との信頼関係の深化に努めてまいります。
新ごみ処理施設整備につきましては、新ごみ処理施設建設工事及び管理運営業務を対象としたDBO方式による一括発注を含めた事業者を選定するにあたり、公平かつ適正に実施する目的で設置した新ごみ処理施設事業者選定委員会の10月中旬の第1回開催に向けて関係者との準備を進めております。今後も着実な施設の整備に向けて、事業推進を図ってまいります。
省エネルギーの推進と新エネルギーへの転換につきましては、南魚沼市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)の達成に向けた、市自らの省エネ転換を市民に可視化する取組の1つとして、市役所本庁舎敷地内に6台分の太陽光発電カーポートを設置する工事を始めました。電気自動車への移行を進めている公用車の駐車場とするほか、屋根付きの障がい者専用駐車場として活用してまいります。
なお、今後も太陽光発電による発電量の増量を計画していることから、本庁舎と南庁舎への電力供給が可能となる系統連系工事を今回実施しております。
また、南魚沼市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)及び国の重点対策加速化事業計画の令和6年度中の策定に向け、「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」に参画いたしました。これまで創エネ分野における太陽光発電の市内での普及は、積雪等が影響して進んできませんでしたが、この次世代太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)の導入により普及促進を目指します。
雪資源活用事業につきましては、雪冷房の実証実験を兼ねた初の実装のため、設置にあたり種々の課題が発生しましたが、関係者とともに慎重に進め、南庁舎内1階の保健課において運転を始めることができました。
これまでの取組でも、いかに雪を融かさないで保存するかについて知恵を絞り工夫してきましたが、今後の展開や普及を見据えますと、「雪を融かさない技術」を進歩させて、排雪の利活用に展開していくことが雪の産業化を目指すうえで重要になってくると考えています。今回の取組をきっかけに高温化における雪冷熱のより効率的な利用方法について注視し、関係する企業や雪の勉強会のコアメンバーと研究をさらに進めてまいります。
都市基盤
次に、都市基盤についてであります。
南魚沼市の道路事業につきましては、社会資本整備総合交付金事業、地方創生道整備推進交付金事業などの国庫補助事業に対して、事業費で12億506万円(うち国費7億4668万円)の予算配分がありました 。7月末現在、除雪費を除いた発注率は 52.1 パーセント となっております。なお、令和 5 年度の繰越予算を加えた発注率は、 60.4 パーセント であり、年度内に工事を完了できるよう努めてまいります。
国の直轄道路事業につきましては、「国道253 号八箇峠道路 」において、国土交通省の令和6年度当初予算で 13.5 億円の配分があり、早期完成に向け、工事が進められております。そのほか、「 国道 17 号浦佐バイパス」に 7.5 億円、「国道 17 号六日町バイパス」に4億円の配分があり 、引き続き事業推進に協力してまいります。
国の砂防事業につきましては、三国川水系、高棚川水系、登川水系において砂防堰堤、床固工などの土砂災害防止対策事業が進められております。
新潟県事業につきましては、 「県道欠ノ上五日町線」などの道路改築事業、「県道余川塩沢停車場塩沢線」での街路事業、「十二沢川」などの河川改修事業が進められております。
交通安全対策の推進につきましては、職員自身並びに来庁者の交通安全に対する意識の醸成を図ることを目的に、夏の交通事故防止運動期間中に、例年の活動に加えて、こめつぐ君をモチーフとした缶バッチを職員が付けました。また、南魚沼交通安全協会と連携し、高齢者事故防止のための戸別訪問による広報の回数を昨年より増やして交通事故の減少に取り組んでおります。
水道事業につきましては、全国の水道水源で目標値を超えた有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が検出されている事態を受け、畔地浄水場原水をはじめとする上水道の水源の水質検査を実施いたしましたが、検出されませんでした。今後も定期的な検査により安全性を確認してまいります。
下水道事業につきましては、更新時期が近づいている処理場の今後の方針を決めるため、特定環境保全公共下水道の五箇処理区と農業集落排水の栃窪処理区において、再構築基本方針策定業務などを進めております。
産業振興
次に、産業振興についてであります。
稲作につきましては、早い雪消えにより春先から水不足が心配され、代かき・田植え時は水不足により作業が遅れた地域もありました。 田植え後の生育状況は、5月から6月中旬まで高温、多日照傾向となったことから順調に推移しましたが、6月22日の梅雨入り以降、全般的に降雨や曇天が多かったことから、7月中旬の生育状況は「草丈長く、茎数並み、葉色濃い」となりました。 葉色が濃い圃場が多いことから、 1回目 の穂肥の施用時期は遅め、施用量も控えるよう呼びかけるなど、気候変動に対応するための技術対策を関係機関で連携し周知しました。 出穂期は、当初はやや早まるとの予想でありましたが、7月中旬の曇天が影響し平年並みと予想されています。
八色西瓜につきましては、雨の影響により 一部の小玉に裂皮等がみられましたが着果数でカバーできたことから順調に出荷され、販売においても全国的な作付面積の減少から需要も多く順調に推移しました。
観光振興につきましては、近年の観光客の旅行形態や価値観の変化に対応できる南魚沼市観光戦略を策定するため、7月から戦略案を審議する 「観光戦略策定委員会」と、策定後の戦略に沿った施策を地域全体で進める体制を作るための 「観光戦略運営準備会」を開催しております。当市の観光産業を継続させていくために、観光関連事業者を含む地域の関係者で連携し、将来に渡り取り組んでいける戦略となるよう進めており ます。
東地区を拠点に活動する地域おこし協力隊を7月1日付で1人採用しました。マウンテンバイクなどの自転車を利用した観光まちづくりや里山再生事業等の活動を通じて、地域の観光 促進 や交流機会の創出などに取り組んでおります。
イノベーション推進事業につきましては、7月12 日に事業創発拠点において、新商品開発や販路拡大の支援を目的とした「にっぽんの宝物」の第1回セミナーを開催しました。
雇用促進につきましては、6月18日に事業創発拠点において、市公式の単日・短時間のお仕事探しサイト「南魚沼マッチボックス」の事業者操作セミナーを開催するなど、さらに多くの事業者の求人掲載が進むよう取り組んでおります。
行財政改革・市民参画
次に、行財政改革・市民参画についてであります。
効率的・効果的な行財政運営につきましては、今年度も「南魚沼プロジェクト・ファイブ」を立ち上げて、行政機構に捉われない横断的な取組による将来的な政策課題の解決に向けた検討を始めました。
防災体制の強化につきましては、7月6日に職員を対象とした防災訓練を実施し、訓練想定を明らかにしないブラインド訓練を初めて取り入れました。災害対策本部のブラインド訓練では、気象状況等の変化に伴う被災想定のシナリオ展開に合わせ、本部長である私から高齢者等避難などの避難情報を発令する訓練を行いました。開設する避難所も、本部長指令により、初めて明らかにするなど、実践的な訓練を行ったところです。
令和6年度のふるさと納税寄附金につきましては、8月18日現在、4万8,488件(対前年度121.1パーセント)、15億4,027万円(対前年度148.9パーセント)となっております。また、令和5年度のふるさと納税寄附金の実績については、6月議会でも申し上げましたが、寄付件数17万3,123件、寄附額で57億2,958万円となり、8月2日に総務省から公表された「ふるさと納税に関する現況調査結果」(この調査には、一般寄附分も含まれておりますが)では、全国1,788団体のうち南魚沼市は第25位、新潟県内の自治体では第1位となりました。全国の多くの寄附者の皆さまからご支援をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。寄附金は、今後の市の持続的な発展のため、有効に活用させていただきます。
市制施行20周年記念事業につきましては、シティプロモーションとして、南魚沼市にゆかりのある芸能人などが出演し、市内各所の魅力を紹介するYouTube動画の配信を始めました。また、10月には、八色の森公園において音楽イベントも予定しております。市民の皆さまから楽しんでいただけるよう、引き続き準備を進めてまいります。
南魚沼ふるさと会、東京塩沢会の会員をはじめ、南魚沼市にゆかりのある首都圏に在住する人たちの交流を深めるため、8月31日に「南魚沼市交流会in東京」を開催しました。およそ180名の方々からご参加いただき、首都圏にいながらも南魚沼市とのつながりをあらためて感じていただける機会になったと考えております。
令和5年度決算及び財政執行状況
次に、令和5年度決算及び財政執行状況についてであります。
一般会計決算につきましては、歳入総額422億9,145万円、歳出総額401億8,712万円となりました。
繰越明許費など翌年度への繰越額を含んだ形式収支は21億433万円となり、繰り越すべき財源3億3,055万円を除いた実質収支は、 17億7,377万円となりました。前年度の実質収支22億2,375万円との比較による単年度収支は、4億4,998万円の赤字であります。
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、徐々に以前の経済活動に戻りつつあるものの、依然として物価高騰は続いており、国や県からの交付金・補助金を有効に活用した中で、市民生活の安定と市内経済の活性化のために、迅速に立ち向かった年でありました。
歳出では、ふるさと納税関連経費の増加や、北辰小学校の長寿命化工事、ふるさと応援活用基金の活用による投資的経費の増加により、歳出総額は、前年度と比較して32億358万円の増となり、令和2年度に次ぐ過去2番目となる多額な決算となりました。
歳入では、個人市民税の増などにより、市税全体で1億3,261万円の増、地方交付税や各種譲与税・交付金を合わせた経常一般財源全体では、1億476万円の増となり、ふるさと納税寄附金の増、投資的事業の増加による市債の増、ふるさと応援基金の活用による基金繰入金の増などにより、歳入総額は、前年度比27億 9,610万円の増となりました。経常収 支比率は 89.5パーセントで0.1ポイントの減となり、前年度に比べ若干改善したものの、財政の硬直化が進んだ状況に変わりはなく、財政管理には細心の注意が必要であり、身の丈に合った財政運営を心がけていかなければならないと考えております。
水道事業会計の決算につきましては、水道料金を用途別から口径別に改め、使用量の少ない家庭の負担軽減を図りました。また、経営成績となる収益的収支(税抜き)は、高料金対策に要する経費の繰入によって、昨年比8,046万円の増の1億5,002万円の純利益となりました。また、資本的収支(税込み)は、12億1,296万円の不足が生じたため、当年度損益勘定留保資金等で補填いたしました。なお、未処分利益剰余金は、今後の水道事業の経営財政状況を見据え、減債積立金の積立て及び資本金への組入れによる処分案としております。
病院事業会計の決算につきましては、収益的収支(税抜き)では、医師の働き方改革に対応すべく市立病院全体の入院機能の再々編に取り組み、在宅や社会復帰を強化するなど機能が大きく変化する過渡期であることから総収益はほぼ前年並みの56億1,094万円となりました。一方、在宅復帰の機能強化に伴うリハビリ技士の増員など、総費用は59億4,025万円となり、差引き3億2,931万円の純損失が生じることとなりました。
資本的収支(税込み)では、2億2,767万円の不足が生じたため、過年度分損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
下水道事業会計の決算につきまして、経営成績となる収益的収支(税抜)は、6,870万円の純利益を確保しました。資本的収支(税込)では、7億4,977万円の不足が生じたため、損益勘定留保資金等で補てんいたしました。
また未処分利益剰余金について、今後の下水道事業の経営状況や投資計画を見据えたうえで、減債積立金の積立て及び資本金への組入れによる処分案としております。
次に、令和5年度決算にかかる健全化判断比率及び各事業会計における資金不足比率についてであります。実質赤字比率、連結実質赤字比率については該当がありませんでした。
実質公債費比率は11.8パーセントとなり、前年度より0.2ポイント上昇し、単年度では前年比2.1ポイントの増となりました。これは算定式の分子となる元利償還金は減少しているものの、公営企業への繰出金が増加したことが主な要因であります。
将来負担比率につきましては、起債残高が減少傾向にあることと、ふるさと応援活用基金の増加に伴う充当可能基金が大きく増えたことなどから、比率としてはゼロとなりました。今後、新ごみ処理施設の建設や公共施設の統廃合に係る経費などの増加に加え、病院事業で構想している事業を実施した場合には指標の上昇が見込まれるため、それらにも備えなければなりません。また、人口減少に伴う市税の減収や地方交付税の減などが比率の悪化につながることから、今後も計画的な事業の推進を図るとともに、地方債の抑制を図りながら、各比率の推移を注視してまいります。
一般会計補正予算
今定例会に一般会計補正予算(第2号)を提案いたしました。
主な内容といたしましては、歳出では、ふるさと納税の寄附金額が、7月時点で前年同月比140パーセントと好調に推移していることから、返礼等業務委託料など、ふるさと納税推進事業費に25億8,971万円を追加計上し、同額を歳入に計上いたしました。
このほか、総務費で地域おこし協力隊1名分に係る経費を計上しました。東地区地域づくり協議会に配置し、情報発信や魅力創出の取組に従事していただく予定です。民生費では、子ども子育て支援交付金のメニューが拡充されたことや単価改正があったことから、学童保育事業の委託料に3,253万円を計上しました。衛生費では、新型コロナウイルスワクチン接種が、予防接種法上のB型疾病に位置付けられ、定期接種となることから、インフルエンザ同様に高齢者等を対象として、予防接種委託料に1億2,040万円を計上しました。農林水産業費では、林道高石中ノ又線で復旧作業を行っているところですが、現在復旧中の現場のさらに奥に新たに2か所の法面崩壊が確認されたことから、緊急自然災害防止事業債を活用して、復旧を行います。今年度に実施設計を行い、来年度に復旧工事を行う予定です。また、コシヒカリの販促を目的にJR東日本の新幹線搭載誌「トランヴェール」に広告掲載を行うために必要な経費を計上しました。商工費では、グリーンシーズンの観光誘客促進を図るため、浦佐駅、六日町駅、越後湯沢駅に広告ポスターを掲示するための経費を計上しました。土木費では、道路橋りょう維持補修事業費では、舗装修繕、排水路改修などのために新たに2,030万円を計上しました。また、消融雪施設維持管理事業費では、消雪井戸の洗浄や散水施設の修繕のために新たに3,000万円を計上しました。消防費では、緊急時の防災ラジオ放送システムの整備を進めているところですが、新たな機器が必要となったことから、整備に必要な経費を計上しました。教育費では、教員の働き方改革のために大規模校ですでに実施している、勤務時間外の電話自動応答システムを全学校で行うために、小学校費、中学校費、特別支援学校費にそれぞれ必要な経費を計上しました。災害復旧費では、能登半島地震を起因とする被災が新たに発見されたことから、1,690万円を追加で計上しました。そのほか、前年度事業の決算確定により国・県補助金に返還が生じた事業については、過年度国・県補助金返還金をそれぞれ計上いたしました。
歳入では、普通交付税の交付額の確定により3億4,171万円減額し、臨時財政対策債を2,650万円減額したところであります。学童保育事業の拡充のために、国・県の補助金を追加計上しました。また、新型コロナワクチンの定期接種に係る助成金を新たに8,300万計上しました。市債では、それぞれの事業で発行可能な額として、計6,410万円を計上しました。前年度純繰越金は、実質収支額と現予算額との差額16億2,377万円を追加いたしました。
収支差額につきましては、合併振興基金繰入金を合併20周年事業への充当分7,000万円を除く2億円を減額し、当初予算で財源調整として計上していた財政調整基金繰入金を5億7,500万円減額しました。そのうえで、残額は予期せぬ事態に備えるものとして、予備費に計上することで調整いたしました。
以上により、歳入歳出予算にそれぞれ32億8,040万3千円を追加し、総額を440億197万7千円としたいものであります。
結び
結びといたしまして、令和6年度の医療の再々編において大きな節目である大和病院の診療所化を11月1日に予定しております。4月に開設したゆきぐに大和訪問看護ステーションとともに、新たな体制で「地域住民の『生きる』を支え続ける」ことができるよう、着実に準備を進めてまいります。
好調なふるさと納税につきましては、全国の寄附者の皆さまから多大なるご寄附と応援をいただき、令和5年度の寄附額で県内1位という結果を得ることができました。ふるさと応援活用基金などを通じて、様々な事業に活用し、市民の皆さまがうるおいを感じ、自分の住む南魚沼市を誇り安心して生活いただけるよう取り組んでまいります。
また、令和6年度は市制施行20周年の記念すべき年であり、年末に向けて、記念式典や記念事業を数多く開催してまいります。 幾多の災害やコロナ禍を乗り越えてきた、この20年間の歩みを振り返るとともに、記念事業の統一メッセージである「もっとあたらしく。ずっと南魚沼らしく。」を皆さまが実感できるように、取り組んでまいります。 議員各位からも引き続き格段のご支援をいただきますよう心からお願い申し上げまして、所信表明といたします。