令和5年12月26日更新
塩沢の織物にふれる1日「のびのび越後上布体験講座」
南魚沼市には、越後上布をはじめとしてさまざまな織物が生産されています。
特に、塩沢地域は織物の生産地として全国的にも有名です。
現在、塩沢地域を中心に生産されている越後上布の技術は遠い昔、約1,200年前の奈良時代から伝えられてきたとされています。この技術は、日本や世界にとって大変貴重であることから、国指定重要無形文化財とユネスコ無形文化遺産になっています。
このようなすばらしい技術や織物の歴史を南魚沼市内の小学生に夏休みの1日を通して体験しながら学んでもらう事業を毎年行っています。
体験内容
苧麻刈り体験
越後上布の糸の原料は、「苧麻(ちょま)」という植物です。
参加者のみなさんは、1人1本ずつ鎌を持って苧麻の刈取りを体験しました。
苧麻の刈取り体験を行う畑は、越後上布・小千谷縮布技術保存協会が越越後上布の技術保存・伝承のために、苧麻の実験栽培をしている畑です。詳しくは、関連記事をご覧ください。
苧麻から繊維を取り出す「苧引き体験」
苧麻の刈取りが終わったら、今度はその苧麻から糸の元となる繊維を取り出す苧引き(おびき)を体験します。
苧引きには、苧麻の茎の表皮だけを使います。
「苧船(おぶね)」という板の上に苧麻の表皮をのせ、「苧引き刃」という専用の刃物で余分な緑の部分をそぎ落とし、白い繊維のみにしていきます。苧麻の繊維は、小学生には少し硬いようでしたが、力を込めて白い繊維を取り出していました。
藍染め体験
越後上布は、苧麻の繊維から糸を作る苧績みという工程を経た後、いくつかの工程をはさみ、絣くびりという布の模様を決める工程があります。
小学生には絣くびりは難しいため、簡単な絞り染めでオリジナルハンカチを染める体験をしてもらいました。
絣くびりでは糸を綿糸でくびって圧をかけ、くびった部分は染まらないという方法ですが、この絞り染めも布にゴムや割り箸などで圧をかけると、その部分は染まらずに模様ができるというものです。
ただし、どんな模様になるかは、染めた後、ゴムや割り箸などをほどいてからでないとわかりません。参加者のみなさんは、どんな模様になるか想像しながら、布を縛っていました。
まず、白いハンカチを輪ゴムや割りばしなどを使って縛ります。模様になる部分を縛り終わったら、藍に漬けて染めました。
ミニ織物体験
越後上布では「いざり機」という織り機を使いますが、やはり小学生には少し難しいため、この講座では段ボールで作った簡易織機を使ってコースターを織る体験をしてもらいました。
参加者のみなさんは、それぞれ好きな色のひもを選んで、コースター織りを楽しんでいました。
その他の体験
体験会場として使用している鈴木牧之記念館の展示資料の見学をして、越後上布の歴史や鈴木牧之のことも勉強しました。