掲載日:平成28年3月1日更新
三国街道塩沢宿「牧之通り」の概要
三国街道塩沢宿「牧之通り(ぼくしどおり)」は、全国有数の豪雪地である南魚沼市塩沢地区にある美しいまちなみの通りです。
「雪国の歴史と文化を活かすまちづくり」というコンセプトにより創られたこの美しいまちなみとそのまちづくりは、これまで多くの賞を受賞しました。
「牧之通り」の由来
「牧之通り」は、雪深い越後の生活を記した江戸時代の名著「北越雪譜(ほくえつせっぷ)」の著者・鈴木牧之(すずきぼくし 1770~1842年)生誕の地であり、その名にちなんで名付けられました。
整備前の「牧之通り」
塩沢は、国の重要無形文化財・ユネスコ無形文化遺産として知られる伝統的工芸品「越後上布」・「塩沢紬」など織物の産地であり、関東と越後を結ぶ三国街道の宿場町として、かつてはにぎわいをみせていました。
しかし、近年、商店主の高齢化や定住人口の減少さらには郊外型大型店舗の隆盛によって、空き店舗が増え、地域の活性化が大きな課題となっていました。
街路整備とまちづくり
街路事業(道路改良)を機に、伝統的な雪国建築を生かしたまちなみ形成をめざし、建築物の外観・意匠の統一、色彩制限、さらには2メートルのセットバック空間に雁木を設置するなど、独自の建築協定を設け、雪国特有のまちなみとその魅力を復元しました。
こうした地域住民によるまちづくりと合わせ、街路事業では、歩道の新設や電線類の地中化などにより、安全・安心な歩行者空間の整備を行いました。
現在の「牧之通り」
三国街道塩沢宿「牧之通り」は、こうして官民が一体的に雪国の歴史と文化を活かすまちづくりを行い、築き上げたものです。
現在は、地元の女性で組織された「射干(しゃが)の会」が主体となって多彩なイベント活動が展開され、最盛期に勝るとも劣らないにぎわいと交流活動が行われています。
主なイベント
- 2~3月:ひな雪見かざり(ひな人形を展示)
- 2月:しおざわ雪譜まつり
- 4~5月:武者人形かざり(武者人形を展示)
- 5月:牧之茶会(抹茶と水菓子を提供)
- 7月:七夕飾り
- 7月:住吉神社大祭(塩沢まつり)
- 10~11月:つむぎ語り(越後上布や塩沢紬の着物を展示)
- 10月:新米の陣
「牧之通り」の受賞歴
「牧之通り」および「牧之通り組合」は、これまでにさまざまな賞を受賞しました。
平成27年度 アジア都市景観賞
国連ハビタット福岡本部、アジアハビタット協会、福岡アジア都市研究所、アジア景観デザイン学会の4団体が表彰する平成27年度「アジア都市景観賞大賞」を受賞しました。
平成27年10月27日には、福岡市において授賞式が行われ、表彰状と盾が授与されました。
アジア都市景観賞は、「アジアの人々にとって幸せな生活環境を築く」という目標に向けた都市や地域の取組や活動を讃え、賞をきっかけに広くアジアの都市間交流へとつなげることをめざして作られました。
平成23年度 都市景観大賞 「都市空間部門」大賞(国土交通大臣賞)
国土交通省が表彰する平成23年度都市景観大賞「都市空間部門」で大賞を受賞しました。
平成23年6月15日には、国土交通省で表彰式が行われました。
都市景観大賞(主催:「都市景観の日」実行委員会)は、良好な景観形成の動きを国民運動として全国展開していくための普及啓発活動等を推進している国土交通省の普及啓発活動の一環として平成3年度から毎年実施されている表彰制度です。
平成23年度 都市景観大賞 「都市空間部門」受賞地区の概要 (PDF 1.66MB)
第23回 全国街路事業コンクール 優秀賞 (平成23年)
第23回全国街路事業コンクール(全国街路事業促進協議会主催)において、県道仲田塩沢線の街路事業が優秀賞を受賞しました。
全国街路事業コンクールは、都市基盤施設としての街路を整備することにより、地域経済の発展と住民福祉の向上を図るため、街路整備に優れた業績をあげている地方公共団体等を表彰し、望ましい街路事業の推進と整備基準および技術水準の向上を図ることを目的に、平成元年度から毎年実施しているものです。
歩道の新設や電線類の地中化による安全で安心な歩行者空間の確保、地元のまちづくり組織と連携した旧三国街道のまちなみを再現した統一感のある景観の創出や地域の活性化、地域コミュニティへの影響などが高く評価されたもので、全国の都道府県等から推薦された32件の事業の中からの受賞となりました。
第23回 全国街路事業コンクール受賞事業 (PDF 2.55MB)
第26回 手づくり郷土賞 「一般部門」受賞 (平成23年度)
国土交通省の「手づくり郷土(ふるさと)賞」の一般部門において、牧之通り組合が選定されました。
平成24年1月31日には、牧之通りにおいて、国土交通省北陸地方整備局の前川局長より、牧之通り組合の関係者のみなさんと市長へ手づくり郷土賞認定証と記念品の盾が授与されました。
「手づくり郷土賞」は、その地域固有の自然や歴史、伝統、文化や地場産業等を貴重な地域資源として再認識し、積極的に利活用した魅力ある地域づくりに対し、国土交通省が表彰をしているものです。国土交通省から、全国各地の優れた取組(大賞部門4件・一般部門12件)の一つとして、雪国の歴史と文化のまちづくり活動が評価・選定されました。
地域の魅力や個性を創出している良質な社会資本およびこれらと関わりを持つ優れた地域活動を一体の成果として発掘し、「手づくり郷土賞」として表彰・好事例として広く紹介することによって、各地で個性的で魅力ある郷土づくり、まちづくりに向けた取組が一層推進されることをめざしています。
平成23年度 手づくり郷土賞 案件概要 (PDF 258KB)
第27回 まちづくり月間「まちづくり功労者」国土交通大臣表彰 (平成21年)
平成21年6月1日に開催されたまちづくり月間「日本の景観とまちづくりを考える全国大会」の中央行事で、第27回「まちづくり月間」まちづくり功労者として、国土交通大臣から「牧之通り組合」が表彰されました。(全国42件)
国土交通省では、住民の積極的な参画のもとに創意と工夫を活かしたまちづくりを推進することを目的として、昭和58年から毎年6月を「まちづくり月間」と定め、さまざまな広報活動や行事の開催等を通じて、まちづくりに関する啓発活動を幅広く実施しています。
まちづくり功労者表彰とは、魅力あるまちづくりの推進につとめ、特に著しい功績のあった個人または団体に対し、国土交通大臣が表彰を行うものです。
平成21年度 まちづくり月間パンフレット (PDF 2.77MB)
国土交通省 第27回「まちづくり月間」の「まちづくり功労者」国土交通大臣表彰受賞者の決定について
アクセス
鉄道で
JR上越線塩沢駅から徒歩5分です。
車で
国道17号「塩沢駅前」交差点から塩沢駅方面に200メートルです。
鈴木牧之記念館前に駐車場があります。