掲載日:令和2年8月14日更新
居館跡石垣の修復工事が完了しました
令和元年から令和2年にかけて、南石垣前面の盛土、北石垣北端部の養生、石垣工事の案内板設置工事を行いました。
南石垣前面の盛土
南石垣前面(西側)は水はけが悪く、地表面がでこぼこに荒れた状態でした。そのため石垣修復工事に合わせ、地表面を保護するために盛土をし整地を行いました。
整地前の南石垣全面。
水はけが悪く、地面がえぐれてしまっていました。
平成24年に行った発掘調査では、石垣の下から水が流れた痕跡が確認されました。これが水はけが悪い原因です。根石も2段に補強されています。
現在の地表面を保護するため、そして現在の地表面と今回の工事による盛土が区別できるように、不織布を敷いた上に盛土をして転圧しました。
盛土が完了しました。またすぐに緑に覆われることでしょう。
北石垣北端部の養生
居館跡の北側にはかつて堀がありましたが、スキー場建設による造成の際に埋められたといわれています。現在堀のように見える溝は、スキー場造成後に排水のために掘られた溝です。この溝が浸食され石垣にも影響を及ぼす恐れがあったため、養生を行いました。
施工前。
排水路は地面を削りながら石垣の手前まで延びていた状態でした。
現在は水は流れていませんが、万が一の災害時に備えて水が流れるように特殊なネットに石を詰めたもので埋め戻し、法面を保護しました。
案内板の設置
南石垣が修復された石垣であるとわかるように、またどのような工事を行ったかを解説するために、案内板を設置しました。
案内板を設置する前に、遺構等の有無を確認するために発掘調査を行いました。石垣南側の水路を建設する際に盛られた土が厚く堆積していました。
降雪に耐えられるよう、石製の本体に特殊な印刷を施した案内板を作成しました。
令和2年以降も、居館跡内部の構造を把握するための確認調査や実城石垣の解明など、継続的に調査を行っていく予定です。